雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

川底は上下する

2012-08-07 00:21:38 | 勇気
「—————ねぇ、uzmetさん。
川底ってのはさ、凄いんだよ。
僕はね、いつもそうありたいと思ってるんだよ。
社員にもよく言うんだ。
川底の様に仕事をしろってね。。」



と、その大プロダクションの社長さん(男性)は、ある日、
彼の会社の応接室で僕に言いました。
二人して映画の話などでとても盛り上がっていた時の話です。
不思議な縁でもう十年以上のお付き合いをさせてもらっている、
本当に大きな芸能プロダクションの名物社長さん。
僕よりもかなり年上......のハズですが、
とても若々しくてお肌も綺麗!?
そして、とても人物!な方です。
かな~り風変わりな方ということでも有名ですが......( ̄ー ̄;



「あのね、川底ってのはね、上下するんだよ。
知ってた!?
凄いと思わない!?
凄いんだよ。うん。」

「ふーーん、、、そうなんですか。。」

「そうなんだよ。
そりゃぁさ、見えないからね。
分かるわけないよね、分かるわけは、、川底だからさ。
でもさ、、上下するんだよ。
いつも動いてるんだよ」

「ふーーん。。」



と、興味津々で少し体を前に乗り出していく僕。。



「あのね、大雨なんか降って水かさが増すでしょ。
そうすると川の流れは早くなるんだよ。
そうなるとね、
川底はその水の流れの激しさで自然と削りとられるんだ。
それで、こーーぅ、
どんどん掘られていって、、、
掘られたソコの砂や土はそのまま川に溶け込んで、
水は濁って行くんだけどね。
その分川底は下に下に下がっていって、
それで水深を深くして、
水がなるべく川から溢れない様にしてるんだよ。
水に勢いがある時はさ、
川底ってのは下に下がって溢れない様に調整するんだ」

「むぅぅ。。なるほどぉー。。」

「でね、逆に水が少ない時はね、
水の中に溶け込んでいた砂とか砂利とか土とかが、
水も少なくて流れもゆっくりなもんだから、、、こう、
ゆらゆらと川底に落ちて来てね。
水は澄んでくるんだけど、
川底は上に上に、と上がっていくんだよ。
そういう土とか砂が川底に溜まっていって川底は上にあがるんだ。
少ない水をね、少なく見せない様になっていくんだな。
水が多くて流れが強く、早い時は、
自らは下がって溢れない様にして、
水が少なくて弱い流れの時は上に上がっていってね。
川を外から見て、
何時も同じ様な姿に見せる働きをしているんだよね。
しかもさ、それが川底なもんだから、
周りからは全く見えないんだよ。
それが凄いんだ。
ね!?凄いと思わない!?
だからさ、僕は社員にいうんだよ。
川底の様な仕事をしなさいと。
売れちゃってさ、
お金や人や情報が多く集まってくれば来るほど自らは削れて下がって、
売れなくて厳しい時は、
それでもそう見えない様に、
本人より表に出て行くくらい上がっていって支えるんだ、とね。
川底の動きはスタッフの理想の姿だと思うんだよね。うん。」



「川底は上下する」



この時からこの言葉は僕の中に深く住みつきました。
これは、プロデュースという仕事においても、
様々な仕事においても核となれるような精神論だとも思います。
この偉大な「川底」のような身のこなし、考え方、実践が、
この敬愛する社長さんのように僕は身につけることが出来るのかどうか。
今まで出来ていたのかどうか、
いつの日か出来るようになるのかどうか......
少なくとも僕は「こうありたい」と、
それだけはいつも思い、努力しています。



霊峰、白山の麓を流れる手取川。手取渓谷。
この三つの瀧の上には「みたき」という大好きな白山蕎麦のお店があります。
川は......確かに削れてます。


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