新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

札幌市の受け入れ不能問題

2008-12-03 00:36:10 | 医療

続けます

 

札幌でも未熟児の受け入れ不能の問題があったようです。というか、受け入れ拒否じゃなくて不能なんだってば・・・!

 

病床数の1.5倍患者診ているうちの血液内科がこれ以上の新患を断っても、受け入れ拒否と書かれそうだよね・・・まったく!

 

7病院受け入れ拒否、早産の未熟児死亡…札幌で昨年11月

12月2日12時41分配信 読売新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081202-00000025-yom-soci  

札幌市で昨年11月、同市内の30歳代女性が自宅で早産した未熟児(約1300グラム)が救急搬送された際、新生児集中治療室(NICU)のある病院を含む同市内の7病院に受け入れを断られ、病院に収容されるまで約1時間半かかっていたことがわかった。  

収容先の病院にNICUはなく、未熟児は約10日後に死亡した。札幌市病院局は「対応しきれず、結果的に死なせてしまったことは申し訳ない」としている。  

同市などによると、女性は妊娠27週だった昨年11月15日深夜、自宅で急な腹痛に襲われ、そのまま未熟児を出産し、119番で救急車を呼んだ。  

札幌市消防局の救急隊は、女性のかかりつけの病院には設備が整っていないことから、同市立札幌病院救命救急センターの医師に救急車への同乗を要請し、受け入れ先の病院を探した。  

しかし、北大病院や市立札幌病院などNICUのある5病院を含めた7病院は満床だったり、医師が他の患者を治療中だったりして断られ、8番目の病院に搬送されたのは通報から約1時間半後だった。  

同乗した医師が応急処置を続けたが、未熟児は収容時には心肺停止状態で、約10日後に死亡した。  札幌市は2日午前に記者会見を開いた。  

野崎清史・病院局経営管理部長は、「(受け入れを打診された)市立札幌病院は満床や当直医の処置中で、対応できなかった。申し訳ない」と説明したが、具体的な経緯や未熟児の状態などについては、「個人情報なので答えられない」と述べた。

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基本的に日本中が「医師不足」なんです。 受け入れが不可能になる病院は多いと思います。

 

毎回ですが、受け入れ拒否と書かれるのは非常に違和感があります。僕も状況によっては断ります(結構診てしまう方ですが、あきらかに軽症以外は)。本当にBed数が足りない。

 

かといって、Bed数を増やされても患者を診療する医者がいない

 

今日、医局会で「外来患者さんからのクレーム」として「何時間待たせるつもりだ」というのがあったようですが、これを解決しようとしてブースを増やしたところで医者の数が増えないことにはしっかり見ることもできません

 

僕も再発の話など・・重い話をする時は外来日以外に別個に診るなど工夫をしています。そうしないとどうしようもない日本の国の医療って終わってますよね・・・。

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なかのひと 

いろいろやっているのに・・・・そういう無理もわかってはくれないですしね。

 

因みに明日はそういうことができない特別な用事があります。学生相手ですけど・・・。それは午後からなので午前中のうちにいろいろなことをしなくてはなりません。

 

明日は本当に忙しくなりそうだな~

 

それでは、また。

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割りばし事件無罪確定へ

2008-12-03 00:23:07 | 医療

こんばんは。

 

漸く退院ラッシュだと思った矢先、緊入ラッシュが来たようです。そんな中・・・指導医の先生がASHに行ってしまうので、また忙しくなるな~。

 

さらに・・・Prof外来からのキラーパスされている患者さん(今週来る人)、末梢血中にBlastが出ているが・・MDS RAEBかAMLか・・・どっちかな・・・。 もうこれ以上入院の枠がない上に高齢者のAMLとなると・・・よほど状況がよくない限りInductionは無理だぞ・・・・・。

 

そんなことを思いながら今日も一日終了です。

さて、今日の記事はまずは「割りばし事件」から。無罪確定したようです

 

<割りばし死亡事故>検察上告断念へ 医師の無罪確定見通し

12月2日21時43分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081202-00000140-mai-soci  

東京都杉並区で99年、保育園児の杉野隼三(しゅんぞう)君(当時4歳)がのどに割りばしを刺して死亡した事故を巡り、業務上過失致死罪に問われ、東京高裁で無罪が言い渡された医師、根本英樹被告(40)について、検察当局は上告を断念する方針を固めた模様だ。上告期限の4日までに正式決定するが、医師の無罪が確定する見通しになった。  

06年3月の1審・東京地裁判決は、医師の過失を認定する一方、「死亡との因果関係がない」と無罪を言い渡した。高裁は先月20日「CT(コンピューター断層撮影)検査などをすべき注意義務があったとはいえない」と過失も否定した。  

高裁判決について検察側は▽民事裁判の1審でも同様の認定がされている▽判例違反などの上告理由が見当たらない--ことなどから上告は困難と判断したとみられる。

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いろいろ、紆余曲折がありましたが無罪確定したようです。それはいろいろと情報を聞いている人間としては「よかった」と思ってしまうものです。

 

しかし、患者さんの御家族に対する補償は何らかの形で行った方が良いと思います。

 

この一件は医療の限界を示したものの一つだと思います。

 

限界を超えて救命しないと罪に問われるのであれば、医師も「やっていられない」と思ってしまうかもしれません

 

人間である医師には限界があり、全てを見通すこと・・・救命が不可能なこともあるということだと思います。

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なかのひと 

それでは、次に行きます

コメント (2)
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