新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

ど~でもいい話:僕と単純さ(医療編)

2008-12-07 23:35:52 | ど~でもいい話

こんばんは

 

気がついたら内閣支持率が21%とかになっていますね。麻生政権も終わりが見えましたな・・・。流石に失言が多すぎるのではないかしらw

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081207-00000021-maip-pol

さて、日曜日なのでもう一つ軽めの記事を・・・。

 

僕は医療に関して、臨床に関しても医学に関しても極力「simple」に考えるようにしています。一つの患者さんに対してProblem listを羅列するのは別にかまわないですけど、多くの場合は収束しますから・・・。

 

その方が考えるにも楽ですし、原因を抑えれば3つくらいProblemが消えるならその方が楽で、患者さんにも良い結果につながると思っています。

 

他の問題に関しても基本的には「simple」なのではないかと思っています。

 

例えば・・・・医療費の問題に関して・・・simpleに考えるなら、当初の想定である「医療費亡国論」が誤っているというところから考えたいですね。

 

社会保障がある程度充実して、患者さんや家族が「不安」を持たずに生活できるようになれば「消費」が上がり経済が活性化する可能性がある。

 

社会保障が充実して、医師・看護師など医療従事者が増えれば「患者」を速やかに診察して、速やかに社会復帰、もしくは仕事に戻すことができるかもしれない。

 

医療経済に関して多くの方が言うように「医療」の拡大により、雇用の拡大・経済の活性化がある可能性もある。

 

社会保障の充実と並行して、高齢者の活躍の場が増える可能性もある

 

社会保障の充実による互助機能の活性化・・・

 

単純にしすぎたかw

 

しかし、物事はおおむね単純化できると思っています。

僕はあまり記憶力がよくないので、学生時代は教科書を一読した後、かなり単純化して理解していました。おかげさまで記述問題・マルチプルチョイスには非常に強かったですが、穴埋め問題は苦手でしたw (言葉が出てこない人w)

 

おそらく・・・医療訴訟に関しての問題も多くの有識者が集まって、お互い相手のことを考えながら意見を出し合うことができれば、良い意見が出て・・かなり単純化した(合理的な)ものができるとは思うのです・・・

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

まぁ、一番難しいのが「相手のことを考えて意見を出すこと」なのかもしれません・・・・。基本的に僕も含めて・・・自分たちのことを考えて意見を出してしまうのが人間の性質ですしね・・・・。

 

おそらく全員が納得できる案が作成できるはずなんですけど、「不可能だ」という固定観念がそれを作成するのを邪魔しているような気がします。

 

僕も今は動きが取れないほど忙しいので、何ともできないのですけど・・・そう(全員が納得できる最良の案を作成できる)思っております。

 

さて、明日以降も忙しくなりそうですが頑張ります。

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ど~でもいい話:僕と患者家族と勤務医に対する思い

2008-12-07 18:11:50 | ど~でもいい話

こんにちは。

今日も病棟は安定しており(患者数の割にw)、午後から自分自身を見つめ直す時間として使うことができました。

いや、まだ自分自身を見つめ直している最中です。

 

 

先日の「割りばし事件」の記事でのコメントを読み、どうすれば僕の思いを伝えることができるかを考えていました。

僕の思いの話なので、「どうでもいい話」のカテゴリーで記載させていただきますが、どうでもいいとは思っていません。

 

さて、割りばし事件も含めた患者家族への思いを伝える前に、どうしても見つめなくてはならないのは「死」という現実です。

 

大学病院でありながら周囲に血液疾患を診る関連病院がないこともあり、末期患者も含め加療することが多いわけですが、そういう患者さんも診ているため「死」に触れる機会はかなり多いです。

 

死は患者さん個人にとって「大きな不安」であり「怒り」であると思います。 それと同時に周りの人にとっても大きな出来事だと思います。

 

割りばし事件の件で、子供がなくなったことは両親や祖父母、関係各位にとってどれだけ大きな衝撃であったか、心をかきむしられる出来事であったかは想像するにあまりあるものではあります。

 

子供にかけていた「夢」、子供にそそいでいた「愛情」、子供を守りながら成長を見守ろうとしていた「思い」・・・どれだけ強く思っていたとしても「子供の死」は「自分たちの限界(コントロール)」の外にあり・・・・そこには救いらしい救いはなくなってしまう。

 

「両親の死」だってそうでしょう。子供たちから見れば・・・ある程度年老いた両親だとしても、これから尽くそうとしていたのに失ってしまったという「激情」、失ってから「こうすればよかった」という思い

 

僕は自分の死よりは「両親の死」や「弟の死」などの方が心配でたまりませんが・・・。僕の死に関しては「両親が悲しむだろうな」くらいで、僕自身がやり残したことと言えば「親孝行」と「家族を持つ」ことくらいだと思っていますから。

 

他にもいろいろな人の死があり、患者家族が「患者さんの死」に対して「医学的に救命が不可能だった」と言われたとしても納得いくまでには時間がかかるとは思います。

 

その「死に対する怒り・悲しみ、患者に対する思い」 「今の医学ではどうしようもないです」・・・・そう言われても「自分自身にコントロールができないもの」に対する怒り・不安はあると思います。

 

医者があきらめるな。俺たちは助けたくても知識も技術もないのに、医者があきらめないでくれ

医療は完璧であってほしい。俺たちに時間を与えてほしい

まだ、やり残したことがある。時間がほしい

お前だから治せないんだ。他に治せる医者がいるに違いない

これから親孝行しようと思っていたんだ。その時間をどうにかして確保してほしい

 

自分達にコントロールできない分野=医療・・・で、その専門家である「医者」に対する思いは大きなものだと思います。

コントロールする力を少しでも持っているかもしれない「医師」に対する思いと、その結果が悪かったことへの思い・・・。全てを見通す力があれば僕たちもやりやすいのですが、すべてを見通すことはできません。

 

患者さんの家族が「様々な思い」を胸に訴訟を起こされることは理解は可能ですが、状況によっては「救命は難しい」「疑うことも難しい」という考えが出てくることは否めないと思うのです。

 

そういうものに対して「患者家族の思い・無念さ」は理解できても、すべて患者家族の言う通りにするわけにも・・・と思うわけです。

 

「あきらかにおかしなことをしている場合」「悪意がある」などの場合を除いて「訴訟」は日本に関しては合わないと思います。しかし、補償は積極的にするべきだとおもいます。

 

訴訟が合わない理由は・・・善意で動いている人間が多い「日本の医療界」だからです。

 

・・・特に一定の賃金しか出ない「勤務医」が身を粉にして働いています。開業医さんだって忙しく働かれていると思いますが、特に勤務医が忙しい。

 

 「患者さんや家族のために(患者さんたちの時間・未来を確保するために)」 →

自分を犠牲にしている(自分のプライベートの時間、家族と過ごす時間など)

「患者さんや家族だけでなく、医者にもコントロールできないレベル」の問題が発生したとき

訴訟が起きたりする状況

 

少しでもコントロールできる可能性があるのならば、医者が悪い…と言われたら誰もやらないでしょう、こんな職業。

 

全ての人を助けることは不可能です。しかもハードウェアもソフトウェアも何もない状況の中では特に・・・・

 

すべての人に元気に自分の足で帰ってほしい。再発なんてしてほしくない。治ってほしい・・・。

 

そう思っても現実には難しいのです。

 

人の命という重さを理解しながら、その重さを守るために精一杯努力して、うまくいかなかったら「責任をとれ」と言われても…と思います。

 

このような考えを持ったりもしますがやはり、「勤務医が悪い」とおっしゃるのでしょうか?

勤務医が嫌になって離れていくのは怠慢(二階経産相)だというのでしょうか?

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なかのひと 

もちろん、ときにはとんでもないことをしている医者もいます。何考えているんだこいつは…と思うこともありますが、そういう医者が多いわけではないです。

 

患者家族が皆で過ごせる時間を少しでも多くしたい。治らなくても少しでも患者家族が充実した時間を得れるように・・・ そう思って働いていますが(治せる可能性があるなら治しに行くし、治せないのならば少しでも有意義な時間を…と思う)、自分自身の時間は常に失われています

 

それを実感しながらも、多くの患者さんの笑顔や時間のために頑張れればと思っています。

 

長くなりましたが、僕はそう思って勤務医を続けようと思っています(開業する気は全くなし)。

 

ただ、さすがにこの状況は何とかしたいと思いますし、将来の日本の医療(国民)のために状況を改善したいとは思いますが・・・・。

 

それでは、また夜にでも・・・。

コメント (6)
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