こんにちは
家に帰って、メールのチェックなどをしながら生活しています。
家で困ったのは前傾姿勢が痛みを誘発するため、新聞受けから新聞をとる・・・・。下に落ちているごみを拾う。などなどがかなり厳しいw
ただ、入院していないといけないということはないでしょう・・・と考えるので、主治医(同期)にお願いして明日退院の方向で…と思っています。
ただ、万一家でひっくりかえっていたら・・・・どうしよう。冗談のようにこないだのように身動きとれないまま、家で倒れていた場合・・・救急車を呼ぶことになるのだろうか?
けど、死ぬわけではないから、呼ばないだろうなぁ・・・・。L4/5のヘルニアの時は自力で歩いて病院まで行って(行く前に電話でMRIあいているか確認して)、診断なども付けたのですけど・・・・。
こないだみたいに血圧下がって意識レベルが低下したらどうなるか・・・・。
そんなことを考えながら、こちらの記事を紹介します。
救急車、本当に必要? =家庭でも緊急度判定―搬送の基準作成へ・総務省消防庁
時事通信 2月26日(土)15時9分配信
総務省消防庁は、119番通報前から受診までの各過程で、症状に応じて患者本人や救急隊員らが治療や救急搬送の優先度を判断する共通基準を作成する方針だ。不要不急の救急搬送を減らし、緊急性の高い重症患者らが一刻も早く治療を受けられるようにする。2011年度予算案に関連経費約3500万円を計上。有識者らによる検討会で具体的な基準作りを進める。
医者や救急隊員が患者の症状によって治療の優先順位を決める行為は「トリアージ」と呼ばれ、災害現場で患者に赤や黄色の札を付ける様子が知られている。
同庁の構想では、このトリアージの仕組みを医者などの専門家だけでなく、家庭も含め、社会全体に浸透させる。具体的には、家庭や電話救急相談、119番、救急現場、医療機関の各段階ごとに緊急度の判定基準を作り、搬送が必要なケースを徐々に絞り込んでいく考えだ。
家庭では同庁ホームページなどを参考に、一定の手順に従って患者の様子や体温をチェックし、緊急性がなければ、自分で病院に行ってもらうことを想定している。共通基準を作ることで、緊急度の高い患者の見逃しも防ぐ。
医者や救急隊員が患者の症状によって治療の優先順位を決める行為は「トリアージ」と呼ばれ、災害現場で患者に赤や黄色の札を付ける様子が知られている。
同庁の構想では、このトリアージの仕組みを医者などの専門家だけでなく、家庭も含め、社会全体に浸透させる。具体的には、家庭や電話救急相談、119番、救急現場、医療機関の各段階ごとに緊急度の判定基準を作り、搬送が必要なケースを徐々に絞り込んでいく考えだ。
家庭では同庁ホームページなどを参考に、一定の手順に従って患者の様子や体温をチェックし、緊急性がなければ、自分で病院に行ってもらうことを想定している。共通基準を作ることで、緊急度の高い患者の見逃しも防ぐ。
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さて、冗談のように自分のことを例にあげましたが、この救急搬送の基準は非常に難しい問題だとは思います。
明らかな軽症はともかく、中には軽症のように見えて重症という方も多々います。その判断はなかなか難しいのです。現実的には災害医療のSTART法くらいの簡単な評価基準で行うのでしょうけど・・・実用の際にあれこれ試行錯誤は必要になると思います。
この記事の中に・・・診療制限・・・(Triageの話が出たりしている)というものが少し見え隠れしていると思うので、救急搬送の基準とは直接関係はありませんが、少し記事を書こうと思います。
日本の医療はフリーアクセスが一つの特徴です。そのフリーアクセスは最近制限されてきていますが、それでもまだ自由度はかなり高いです。
大学病院をいきなり初診する患者さんもまだいらっしゃいます。
僕の場合は
「来たんだったらしょうがないでしょう。問診票に記載してもらって、症状などを確認してください(といって、鉄欠乏性貧血やリンパ節が正常範囲内で触知可能とかいうのが多いのですけど)」
って、やってますけど…それをやられると結構時間がきつくなります。
一日に30~40名の予約の血液疾患の患者を相手に外来をして、初診の紹介患者(だいたい2~3名…僕の過去の最大は一日で初診10名w どこからそんなに紹介されてくるのだろう・・・・?)さんの診察だけでも大変です。そこに軽症だけど心配なんで来ました…という方が来ると、本当に紹介状を持ってきていて緊急入院とかが必要な人に時間を割けなくなったりします。
また先日、近隣の某病院の先生が「○○大病院は救急で受診してしまえば、なんだかんだいって診てくれるから、行きなさい」と言われたので受診しました・・・という理由で内科の初診担当当直を受診したケースがあるそうです・・・。
これは医療従事者が常識を「ぽいっ」って放り投げているケースなんでしょうけど、ひどい話です。
話を戻しますが・・・・このフリーアクセスを行い続けるには、医師の数など医療資源が足りません。
現在日本は現実として「限られた資源」で医療を行っています。先日も受診された白血病の患者さんを他院にお願いするに当たり、患者さんから「日本という国は病院を受診すれば、入院を希望すれば入院できるものだと思っていました」という言葉を聞きました。また・・・先々週だったでしょうか、東京の方から血液疾患の受け入れ要請があったのは・・・。自分たちの分野である血液領域を例に挙げると、もはや限界をほぼ超えつつある。
そろそろ「高齢者」に関しては治療適応なし…という話にもなりかねないし、できることを最大限行う・・・ことが現実的にできなくなっているように思います。
それゆえ、Triageという概念が出てくるわけです。
Triageというのは本来軍隊用語でフランス皇帝ナポレオンがエジプトを攻略する際に、どの患者から治療を行ったほうが効率的に戦えるかを判断した際に使われた言語だと言われていますが(この時はそれゆえ、軽症から準に治療。前線に復帰させやすいですからね)、現在は緊急度に応じての話です。
本当は災害医療など「有事」の際に使用されるものです。それは災害などの場合は「患者」の数(需要)に対して「医療資源」(供給)が追い付いていかないから、Triageという概念が出てきます。
今の日本は「平時の医療」でさえ、供給が需要をまかなえない。それゆえにTriageという概念が必要になってきます。
今回の救急の話は実は「氷山の一角」でしかないと思います。
実際に「救急診療」「救急搬送」の際に「軽症患者まで救急車で運ぶ」余裕はない。それらで病院の処置室が埋まったりしたら、さらに大変なことになる。搬送能力も低下する
そう言ったことがあるわけですが、それだけではなくて「一般診療において」も現在、一部の診療科ではそろそろTriageが必要になりつつあるわけです。
血液内科はその中の一つだと思っています。
さて、そろそろ外泊の期限が迫ってきたので、病院に戻ろうと思います。
では、また。