ちょっと時間があるのでもう一つ書きます。
このblog(2006年より始めた前のものも含む)は基本的に「医師不足」を認識してそれを世間に訴える目的で書き始めたBlogです。
実際に医師・看護師が不足し業務内容が忙しい地域の1っとして埼玉県や千葉県といった首都圏近郊の県があります。東北・北海道などでも不足している場所は多々あると思います。
そして基本的に諸外国と比較しても医師数は少ない日本で医師を増やさなくてよいという考え自体がおかしいですし、たぶん「宇宙」という新しい領域に向かうのであれば「医療」はさらに発展させないといけないと思います。
新しい環境は新しい病気を生み出し、ついでに言うなら「がん」はなくなると思っている僕ですが、ウイルスをはじめとした感染症は駆逐できないと思いますので、そういう備えも考えていないといけません。
ということで、今日の記事です。
医学部新設で医師増「百害あって一利なし」-医学部長病院長会議
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130311-00000011-cbn-soci
医療介護CBニュース 3月11日(月)22時3分配信
自民党の国会議員連盟が東北地方での医学部新設を政府に求める方針を決議したことなどを受け、全国医学部長病院長会議は11日、医学部新設について慎重な対応を求める要望書を下村博文文部科学相に提出した。要望書では、医学部新設で医師数の増加を目指すのは「百害あって一利なし」と指摘。医師不足に対しては、既存の医学部の定員の増減で調節するのが「最も合理的」と強調している。
要望書では、定員増での対応の方が望ましい理由として、▽将来の医師需要状況の変化に応じて、迅速かつ容易に入学定員を調整できる▽現在ある教育・研究施設や人的資源が活用でき、必要最小限の費用投入で教育の質と量を確保することができる―などを挙げている。
一方、医学部を新設した場合については、地域の基幹病院に勤務している医師を教員として異動させる必要が生じ、病院勤務医の不足が加速するとの懸念を表明。人口の減少などに伴い医師過剰になった場合に、新設された医学部の廃校が難しいことも問題視している。
提出後に記者会見した同会議の小川彰顧問(岩手医科大学長)は、「病院の勤務医を教員に振り替えることによって、地域医療が崩壊する」と訴えた。その上で、「医師の地域偏在・診療科間偏在(の解消)が、医師不足対策で最も重要。医学部新設にエネルギーを費やすのではなく、今のシステムを変えていただきたい」と述べた。
■既存の医学部定員も「様子見を」
会見ではまた、既存の医学部の定員増についても慎重な検討を求めた。
別所正美会長(埼玉医科大学長)は、「限りなく、どんどん増やせばいいというわけではない。今くらいの数でしばらく様子を見て、さらに増やせるかどうか考える必要がある」と述べ、2008年度以降の定員増などの効果検証が必要との考えを示した。
来年度の全国の医学部定員は今年度から50人増の9041人で、増加に転じた08年度以降の累積では1416人の増加になる。【高崎慎也】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こんな話は今更いう話ではなく、とっくの昔に話し合われているべき内容だと思っています。
実際に僕はまだ20代でしたが、2008年1月に行われたある会合で医師不足に対応するために「医学部増設」という話に対しては、「いますぐ医学部を増設するのは難しく、教員数が絶対的に足りない」という意見を有名な先生に伝えました。
自分の過去の記事にもあるはずなんですがどこにあるのやら・・・・。
最近のだと・・・医学部新設の良い点は?などなんですが・・・
医局制度改革・医学教育改革(45)
実際には医学部新設を行うには弱りすぎている日本の医療というのが事実で、できるならば不足しているのだから増やすことを考えればいいという単純な話になります。それをその原因を作っている方々が何を言っているのだろうとは思っております。
僕はたぶん東大の上先生たちが言っている「高齢化による医療需要の上昇」が「人口減少による需要の減少」よりも顕著になると思っていますし、新たな領域に手を広げる余裕がなくなると思いますよ。今のままであれば。
自分たちの活動が狭まるのであれば・・・もしくは広がると同時に他と混ざる(まぁ、島国ゆえの現状という可能性もありますので)のであれば、予想に反すると思いますが・・・。今のところ外れたことがないし・・・と思っているところです。
今は少しずつ体力をつけて、本格的な治療(本当に必要な医師数を見極めて、医師数を増やすこと)が開始できるようにすることが第1、第2に時間的距離を縮めることで先日のようなこと(搬送36回拒否、男性死亡 救急受け入れまで2時間 埼玉・久喜http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130306-00000123-san-soci)とかがないようにもしないといけませんし。
この日じゃないですが、1月に当直してた時に7件目、14件目(ほか、直接来院など)というのがありました。もうどっちも受けないとしょうがないなぁと思って受けましたが…結構、そういうのは多数あります。夜中の救急搬送依頼もやはり14,5件目だったので受けたかったもののベッド数や主診療科の判断もあり、断りました。それは僕だけでは診れない領域のものだったので。
いろいろ思われる方々がいらっしゃると思いますが、専門外と判断して患者さんに余裕があるのであれば・・直接専門領域を診れる医師のところに行ったほうが患者さんのメリットになることもあります。結局、他の病院で時間をつぶした上に搬送先を探して、もう一度病院に救急車に来てもらって、搬送するということになりますので。
ですから、受け入れ不能…というのは実際にあることです。
http://kawagoeerc.jimdo.com/2013/03/05/25病院に36回断られる-埼玉の男性死亡/
そういうことが起きている状況下で医師が十分にいるという認識には僕はなりませんが、医師数を増やす対策(僕は大学病院の強化、連携など)や搬送能力の強化などをとりあえずはやるしかないのかなと思っております。
話が脱線しましたが、医師数に関しては基本的に「不足」しているというのは事実だと思いますし、それに対して「医学部新設」よりは「大学の強化、医学部定員増」での対応のほうがよいとは思っていますが、まだまだ不足していると思っています。
こんな議論よりも…さらに国家試験やCBTのこともはじめ、医学教育の根底からすべて作り直さないと話にならないのでしょうけど・・・・
政治家を目指す医師がいるのは良くわかりますね。僕もこのままではいけない、何かを変えないととは思いますし。
ただ、医学自体の面白さが今は一番なので…どうにか上のほうの方々が本気で取り組んでほしいと思います(本当に心から考えていて、全員が意見を戦わせればこんな話はもっと昔に出ていていいはずのものですから。今団こんな話をしていることが、政治をしているだけで本気で取り組んでいないことの表れだと思っています)。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。
http://blog.with2.net/link.php?602868
人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします
それでは、また。