さて、追加です
肺がん見逃し 遺族質問まで説明せず…香川県立中央病院
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120615-00000301-yomidr-soci
読売新聞(ヨミドクター) 6月15日(金)12時29分配信
香川県立中央病院(高松市)で14日、肺がん発見の機会を2度も見過ごすというずさんな診療経緯が明らかになった。
胸部のエックス線写真やコンピューター断層撮影法(CT)検査の結果確認を2人の担当医が怠る単純なミスが重なり、50歳代の女性が死亡。病院側は遺族が問い合わせるまで、こうした経緯を説明しておらず、県庁で記者会見した松本祐蔵院長らは苦しい弁明に追われた。
記者会見には、松本院長と、山地耕太郎事務局長が出席。「重大な医療事故だった」とミスを認めて陳謝し、経緯を説明した。
松本院長らによると、エックス線撮影は女性の腕の骨折治療を担当した整形外科医が、CT検査は治療済みの子宮頸がんの経過観察として、産婦人科医が実施を決めた。いずれも肺に異常な影が写っており、電子カルテで簡単に閲覧できたが、2人とも一度も目を通していなかった。
理由について、整形外科医は「(心機能の事前チェックが必要な)全身麻酔での手術を予定していたが、結果的に部分麻酔で行ったため、画像を見なかった」と説明。産婦人科医は「検査を行ったことを忘れていた」と話したという。
CT検査で肺の影に気付き、報告書に記載した放射線科の医師も、産婦人科医に直接知らせておらず、松本院長は「病院全体のチェック体制に問題があった」との認識を示した。
この報告書は、2009年6月に女性が肺がんと診断された直後に見つかり、その1か月後には、医療ミスとして松本院長にも報告されていた。しかし、病院側は女性側に伝えず、10年10月に亡くなった後も、遺族の問い合わせを受けるまで知らせていなかった。
報道陣から「問い合わせがなければ、隠していたのか」とただされた松本院長は「当初は『患者の負担になる』と判断した。その後、院内での協議が続いて遺族に十分な対応ができなかったが、隠し通すつもりはなかった」と釈明した。
再発防止策として、同病院は、検査結果が閲覧されない場合、電子カルテを見る画面上に警告が出るようシステムを変更。しかし、ほかに放置されている検査結果がないかどうかは「データが膨大で、すべてはチェックできていない」としている。(小野隆明)
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研修医の先生にもよく言う話ですが「検査結果を見ないのであれば、検査するんじゃない」
ただ、手術前のルーチン検査で胸部単純写真を撮ることはあります。僕が研修医の時も整形外科の入院患者でしたが、内科に緊急転科するような疾患が見つかったことがあります。あの時は身体所見が先でしたけどね・・・。おぃおぃ…と思って、胸部単純写真を見たらえらいことになっていたという。
あとは胸部単純写真に写っていた胆石というのもあったな~
僕も研修医の時に上の医師よりも早く検査結果を確認しているかが勝負…と思っていましたが、後輩たちにも「検査結果を見ないなら、検査をするん。検査をする意味は必ずある。その検査で何かを求めているのだから、検査結果は気になるはずだ。それが気にならないというならば検査をする必要もない」と言っています。
医師として研修医の時に学ぶことを学んでいないのか・・・本当に忙しすぎて失念していたのか・・・。いずれにせよ検査結果を確認しないというのはやってはいけないことです。
けど、見ようとしていなければ見えないというのもあるしなぁ・・・。婦人科系腫瘍の経過観察目的で腹部のCTだけ見たけど、腹部に転移がないから胸部は見なかったという可能性も・・・。
僕も前書きましたが「悪性リンパ腫(CS4で胸水貯留が早くて治療しなかったら死んでしまう状況)」の患者さんのCTで写っていた微妙な陰影。抗癌剤治療後にも変化がなかったので気になって調べたら肺癌だったということもありますし・・・(要するにその時にどう評価するか。リンパ腫ならともかく治療するからいいのですが、婦人科系腫瘍の転移と判断されていたらどういう風に進められたのか・・・。経過観察だったのか。まぁ、普通は検査するか)
まぁ、いずれにせよ患者さんの不利益につながってしまった以上は、今後このようなことがないようなシステムの構築(最近の電子カルテは大体検査結果や読影結果がメッセージで飛んできますけど)が必要ですよね。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。