未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




2050年、人間は「不死身」に=脳の中身をPC保存
http://news.goo.ne.jp/news/jiji/kokusai/20050523/050522093207.qzaswo1p.html

【ロンドン22日】2050年、テクノロジーの発達により、人間の脳の持つ全情報をコンピューターにダウンロードすることが可能になり、肉体は滅びても人間の意識は永遠に残る―。
英国の著名な未来学者で通信大手BTの未来研究部門代表を務めるイアン・ピアソン氏がこんな大胆な予測を明らかにした。

この記事を読んで疑問に思うことがある。技術的可能性ではなく、仮にその技術が実現したとしても、その技術を利用したいというニーズがあるのか?という点である。

脳のダウンロードを決意し、機器に接続される。ダウンロード先で目覚めた自我は、今までの記憶を保持したまま、深遠なるネットの海の中で、永遠の生命を獲得する。

だが、本体の意識がダウンロード先に移ることはない。脳のダウンロードを決意し、機器に接続されるが、目覚めた時はまた、現実の世界に戻っている。本体の意識は常にこちら側にあるので、PCなりコンピュータのネットワークの中なりで、生き続けることはできない。

自分は向こうへは行けない。だが、自分の思想を引き継ぐ分身が後の世に影響を及ぼし続ける。

自己顕示欲の強いもの、死してもなお、社会に影響を与えつづけようと望むもの。そういったごく一部の者しか、この技術に興味を持たないのではないのか?

その一方で、愛する人のために、この技術の利用を決意する者もいるかもしれない。


「どうだった?」
「あと、持っても半年だそうだ。」
「・・・わたし、とても一人ではやって行けないわ。」
「そう言うだろうと思って、『脳ダウンロード』を行うことにしたよ。決して君に寂しい思いはさせない。」
「・・・」
「ネットに接続されているものになら、なんでもアクセスできるそうだよ。今の段階ではまだ、『たまに電話をしてあげる』ぐらいのことしかできそうもないけどね。」
「そんなことはないわ。今はネットから『お風呂を沸かし』たり、『エアコンのスイッチを入れ』たり、『冷蔵庫の中身をチェック』して、ネットで『食品の宅配』も頼めるのよ。」

 ・・・

「『落札料金の送金』や『テレビの録画予約』もできるしな。」

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