未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




脳血流の変化でロボットにじゃんけん ホンダとATR
http://news.goo.ne.jp/news/infostand/it/20060525/1430389.html

 国際電気通信基礎技術研究所(ATR、本社:京都府精華町)とホンダは2006年5月24日、人間の脳の血流の変化を読み取ってロボットを操作する技術を発表した。電極の埋め込みや特殊な訓練が不要で、リアルタイムに近い速度で動かすことが可能という。実験では手のロボットにじゃんけんをさせた。

考えるだけで機械をコントロールする。既に脳波を利用した方式などが研究されているが、今回はMRIを利用することにより、ユーザーへの負荷を低減しているとのことだ。

確かに精度が向上すれば、便利なインターフェイスとなりうる可能性を秘めている。

だが、この方式は、利用者にとっては『コントロールしている』という感覚が希薄なものになりそうだ。

音声により人に命令をする場合、自分の発生させた空気の振動が、最終的に相手の脳の中で、どのような思考を生み出し、その結果として、どのような行動を引き出すことができるかを、予めかなり正確に予測することができ、その結果が一致した場合に『コントロールしている』という満足感を得ることができる。

だが、この手の方式の場合には、脳の中で発生している血流のパターンなどを、数学的な手法により、予め想定されているいくつかの選択肢に分類しているに過ぎない。

そこには、意思は存在せず、想定されている以上の結果を導くこともない。

外部からの観察では、意思の伝達が行われているかに見えても、実際にその行為を行っている当事者の脳内では、全く別の感情が働いている可能性もある。

だが、それですら、慣れて来れば意思の伝達として認識されるようになるのであろうか。

今では単にキーボードを叩いているだけであっても、チャットなどしている時には、そこに明確な意思の伝達感を感じる。

人間の意思は、ひょっとすると、我々が思っている以上に、平易なものなのかもしれない。


「どうだね?進んでいるんだろうね?」
「ええ、『グー』『チョキ』『パー』などの簡単な形状の識別から始まり、かなり複雑な形状の判別も可能になりました。手始めに、これはどうでしょうか。」

『カニ』。

「おお、結構やるね。」
「動物の種類による、微妙な違いも識別可能です。」

『イヌ』。『キツネ』。

「どうやら、君を見損なっていたようだな。」
「鳥類の種の識別など、もっと微妙な差の判定できます。」

『ハト』。

「素晴らしい!!生物以外でも、できるのかね?」
「ええ、勿論です。これなど、いかがでしょうか?」

『ヤカン』。

「・・・お前さ、さっきからオカシイと思ってたんだけど、それ、影絵だろ。」

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