未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




「「遺伝子組み替えで光る魚」を家庭で飼う
http://wired.jp/2011/09/01/%e3%80%8c%e9%81%ba%e4%bc%9d%e5%ad%90%e7%b5%84%e3%81%bf%e6%9b%bf%e3%81%88%e3%81%a7%e5%85%89%e3%82%8b%e9%ad%9a%e3%80%8d%e3%82%92%e5%ae%b6%e5%ba%ad%e3%81%a7%e9%a3%bc%e3%81%86/
遺伝子操作によって蛍光色に光るようになった観賞魚『GloFish』。遺伝子操作を施した水生動物が2003年に禁止されたカリフォルニア州を除いて、米国のすべての州で1匹5ドルで購入できる。
水質汚染の対策に貢献するために、常に蛍光発光するゼブラフィッシュではなく、環境有害物質がある場合に選択的に蛍光を発するようになる「スイッチ」を開発したいと科学者たちは考えています。蛍光色でなければ水が安全で、蛍光色なら水質に問題があるという合図になるわけです。この研究を支援するため、GloFishの売り上げの一部は、GloFishを開発した研究室に送られています。

環境有害物質があると蛍光を発し、人に警告を知らせる魚。

アイデアは面白いが、決定的な欠点がある。

遺伝子操作をした生物を、野に放して良いのか?との議論は、とりあえず置いておこう。

発光している『GloFish』が生息している水域が危険であることは、すぐに解る。

だが、水域が発光していない場合、①安全であるので『GloFish』が発光していないのか、②単に『GloFish』が生息していないだけなのか、③遺伝子操作されていない通常の『ゼブラフィッシュ』が生息しているのか、④はたまた、毒性が強すぎて『GloFish』が死滅してしまったのか。を、判別するのが難しい。

①と③を区別するためには、捕獲した『ゼブラフィッシュ』に試薬を与えて、発光するのかどうかを確認してみる必要があるし、②と④を区別するためには、水質の検査をする必要がある。

このために水質検査キットを持ち歩く必要があるのであれば、そもそも『GloFish』を野に放つ意味がない。

だが、技術が発達し、これらの問題が全てクリアになったとしても、それは人類にとって、どれほど必要性のあるテクノロジーとなりうるのか。

『蛍光発光』が安全性を知らせる社会。それは果たして、人類にとって、幸せなことなのであろうか。


「これ、マグロとかに応用できないんですかね?」
「応用して、どーするんだよ。」
「食卓にそれが並んだら、綺麗だと思いませんか?」
「思わんね。だいたい、そんなもの、気持ち悪くて食べられないだろ?」
「あれ?先輩って、環境保護派とかですか?」
「いや、そーゆー問題じゃなくてさ。」
「マグロは頭が良いから、食べてはいけない。とか?」
「いや、頭の良し悪しで、食べるものを選んだりしないよ。」
「あっ、それじゃぁ、遺伝子操作された食品に懸念を抱いている派ですね。神経質過ぎるんじゃないですか?」
「いや、だからさ、そーじゃなくて、蛍光色のマグロのなんて、気持ち悪くて食べられないだろ。」
「いや、これは、色が塗ってあるんじゃなくてですね、」
「解るよそのぐらい。そーゆー問題じゃくなくてさ。たとえば、蛍光色のおにぎりとかあったら、食べる気するか?」
「あっ、それ、いーですね。」
「いーのかよ。」
「ええ。おにぎりしか無かったとしても、食卓が華やぐ感じがしますよね。」
「しねーよ。・・・マジで言ってんのかよ。」
「えぇ。嘘ついても、しかたないですし。」
「以外とアレか?『実は僕も蛍光人間なんで、蛍光マグロとか美味そうに見えるんですよ。』派とかじゃないだろうな。」
「『蛍光人間』ってなんです?」
「いや、だからさ、この記事みたいに、ブラックライトを当てると、肌が蛍光色に光るやつのことだよ。」
「それ、何か得なことあるんですか?」
「ねーよ。」
「ですよね。変なこと、考えるんですね。先輩って。」
「いや、だからさ、そーでもなきゃ、蛍光色のマグロが美味しそうとか、意味不明なこと言わねーよ。って話だよ。」
「そうなんですか?」
「そーなんだよ。」
「それ、先輩の偏見なんじゃないですか?」
「偏見じゃねーよ。世界中でお前ぐらいだろ、そんなの美味しそうに思うのは。」
「いや、自分の出身地とかだと、ふつーですけどね。」
「どこだよ、それ。聞いたことねーよ。そんなの。」
「うちでは婆ちゃんとかも、蛍光色の食品とか、ふつーに食べますけどね。」
「ふつーに食べられるほど、普及してねーだろ。蛍光色の食品。」
「婆ちゃんとか、ごはんにピンクの色素かけて食べるの好きですし。」
「『桜でんぷ』だろ、それ。」
「なんだ、知ってるじゃないですか。それにそうめんに入ってる色のついてるやつとか、兄弟で取り合いになりますよ。」
「子供か、お前は。」
「先輩も子供のころは、そーだったんですね。」
「あぁ、もう、何千年も昔の気がするよ。・・・なんだよ?」
「・・・さっきから気になってたんですが、先輩の体の色、なんだかオレンジっぽくないですか?」
「・・・なんのことだよ?」
「なんか、だんだん、蛍光色に光って来てるんですけど。」
「え゛っ?あれ?こんなのいつ、付いたんだろ。」
「付いたってゆーより、体内から発光してる感じですね。」
「遺伝子操作された、何かのマーカーだとでも、言うつもりか?だったら、お前も光るはずだろ?」
「いや、ほら、自分には何もないですよ。」
「仮にさ、人間を喰う宇宙人か何かが、危険判別のために埋め込んだ一種のマーカーだったとしてもだよ、シグナルが出てるってことは、危険って合図だから、オレはもう、狙われないはずだろ。」
「そうでもありませんよ。」
「・・・?」
「自分の生まれた地方ではその色、『食べごろ』って意味で使ってますから。」

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