東京テキスタイル研究所
第2回テキスタイル作品展
会期:昭和58年(1983年)3月23日(水)~27日(日)
会場:洋協ホール(銀座)
最近はテキスタイルの作品展が常に開かれ身近なものになりましたが、東京テキスタイル研究所の第2回作品展は他の織物展とは異なるものでした。
タペストリー・ラグ・服地・着尺・バスケット・化学染や草木染の糸染サンプル、これらの作品や展示が適度にコーナーを形成し、講師の完成された作品と十八才から六十才迄の生徒が造りだす未熟ながら新鮮な作品が混在して東京テキスタイル研究所の教育理念が現実のものとして来場者に問いかけるのです。
奥のコーナーに展示されていたタペストリーに私は織物ならではの風合いと色合いを感じ、作者に尋ねました。「あなたは、以前絵か、なにかを習っていたのですか?」この質問に対して意外にも「私は絵が描けないので造形クラスに入りました。」絵が描けなくても、色彩の勉強をしていなくても、一般の人は生きている中で自分だけの感性を持っている、ただ表現方法を知らないだけだと、思ってはいたが、現実に目の前にすると、より一層今日の造形教育のあり方を考えさせられました。
第三回作品展は来年も四月に開かれるとの事ですが、本科・研究科及バスケタリーのクラス等に、より研鑽された作品を期待したいものです。
◆作品展会場風景
◆作品展会場風景
◆作品展会場風景
◆作品展会場風景