樹名板には 単に「クルミ」としか書いてなかったのですが、これはおいしそうなクルミが生っているから、河川敷などに自生する「オニグルミ」でしょう。
(サワグルミやシナサワグルミはいわゆるクルミの実はできません)
食用とすることができるクルミには、在来種の「オニグルミ」、「ヒメグルミ」のほか、「ペルシャグルミ」、「テウチグルミ」(カシグルミとも)、「シナノグルミ」(信濃胡桃)のいずれかとされている。
このうち、テウチグルミ(カシグルミ)はペルシャグルミの変種とされ、また シナノグルミはテウチグルミ(カシグルミ)とペルシャグルミの自然交雑によって生じた雑種といわれている。したがって、言い換えれば、店で販売されているクルミはいずれも分類上はペルシャグルミ系として理解されていることになる。
(
樹の散歩道「クルミいろいろ 何やら名前がややこしい」を編集)
では 樹名板に単に「クルミ」としか書いてなかったのは なぜか?
「・かつては単にクルミと呼んでいたが、テウチグルミやペルシャグルミなどが外国から入り、それらと区別するためにオニグルミと呼ぶようになった。「鬼」は、種の表面の模様が鬼の顔に見えることや、実が大きいこと、核が硬いことによる。」(庭木図鑑 植木ペディア > オニグルミ)
・オニグルミは雌雄同株で、5~6月にかけて開花する。雌花は枝上に直立するため観察しにくいが、優雅な赤色でそれなりに美しい。雄花は緑色で、20センチほどの紐状に垂れ下がる。木の下からでも見付けやすいが、それが花だと気付く人は少ない。(同上)
オニグルミは、ニセアカシアと並んで河原に多い。河原は、洪水の度に攪乱が起きる。こうした場所では、十分な陽光のもとで素早く生長するタイプの陽樹に有利。オニグルミは、陽樹で生長がとても速い。
河原には野ネズミが多い。野ネズミは、クルミが大好きで、見つけたクルミを貯蔵する習性がある。そのほとんどを食べてしまうが、ごく一部の残ったものが発芽、生長分布を広げている。
クルミの殻の内側には空洞があり、水に浮く。毎年、雪代や洪水が起きると、河原に落ちたクルミが下流に流され分布を拡大する。洪水時にクルミが埋まったりするが、オニグルミは地下30cmもの深さからでも発芽する能力があるという。
(以上、森と水の郷あきた「樹木シリーズ24 オニグルミ」オニグルミが河原に多い理由 よりの引用でした)