アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ハツユキソウ - トウダイグサ科 (6)

2019-08-27 17:02:24 | みんなの花図鑑

ハツユキソウは トウダイグサ科トウダイグサ(ユーフォルビア)属の一年草。
学名:Euphorbia marginata
茎の頂点あたりに付く葉っぱの縁が、真っ白に彩られるのが特長です。種小名のマルギナタは「縁辺のある」の意で、この葉姿に由来します。(ヤサシイエンゲイ)
先ほどのショウジョウソウと共に ポインセチアの仲間です。






果実が 元の生まれた場である杯(カップ)から飛出し、ぶら下がっています。杯状花序の特徴です。





よこから ぶら下がる様子を観察。果実は大きすぎて全部にピントが合ってませんが、たしかにトウダイグサ科の子房に特徴的な 三室からできているようです。





雌性先熟で、最初、雌しべが杯(カップ)から生まれ、受粉して大きくなって杯から飛び出すと、雄しべ、腺体(緑の唇形の器官)、腺体の付属体(腺体を取り巻いている白い花弁状のもの)が次々と杯の中から産まれてきます。






腺体は 蜜源です。付属体は 花弁と同等の機能を提供すると考えられています。




ショウジョウソウ - トウダイグサ科(5)

2019-08-27 15:18:24 | みんなの花図鑑

ショウジョウソウは トウダイグサ科トウダイグサ属(ユーフォルビア属) の一年草。
別名「サマーポインセチア」と呼ばれるように、いちばん上の葉が赤いです。
花を抱く花弁のように赤くなっているこの葉は「苞」と呼ばれています。






苞の中には たくさんの杯状花序よ呼ばれる花序があり、このショウジョウソウのように円熟期に入ると 杯(カップ)から生まれた子房が 受粉して果実になり 果柄を曲げて杯の外に飛び出し垂れ下がっているのが分かります。





奥のほうに リンゴの芯みたいな棒が2本立っていますが、これは 受粉できなかった子房(と果柄)が 果肉を落として軽くなったため折れ曲がらずにそのまま上を向いて立っている図です。






杯状花序の 杯(カップ)は 最初 雌しべを生産し、その後、雄しべや 唇の形をした腺体(この中に 蜜がある)を次々と生んでいきます。
果実は 予想どおり 三室からなり、(大きさは別にして)その形は ナンキンハゼの果実そっくりです。
写真中央に 柱頭だけ産まれためしべがありますが、柱頭は 6本あるように見えますが、3本がそれぞれ2つに分かれているためこう見えるのです。




エノキグサ - トウダイグサ科(4)

2019-08-27 09:34:06 | みんなの花図鑑

葉っぱがエノキに似ているので エノキグサ だそうです。
イヌタデ(赤まんま)の花のような穂が雄花序。
その付け根に お椀のように少し丸くなった葉があり、その中にチョコンと緑の粒がありますが これが 雌花序。





雌花序を拡大して観察しています。
雌花序が乗っているお椀のような葉は 苞葉 といいます。苞葉の中に生まれる花序 というと、これはトウダイグサ属やニシキソウ属を特徴づける<杯状花序>の咲き方そのものです。





ただ、ちょっとちがうのは 杯状花序では ひとつの杯(カップ)から たくさんの雄花序と雌花序ひとつが生産されますが、ニシキソウのばあいはそこまで機能分化していません。






つぎに、これが 良く目立つ 雄花序です。(最初に言ったみたいに 赤まんまみたい)





ところで・・・なんですが、赤まんまのトップに 緑の球がついています。これはなんでしょう?





雌花なのです。雄花の穂の先にも 雌花が付いているんです。だれかさんは これをエノキグサのニューハーフ と呼んでいます。



アカメガシワ - トウダイグサ科(3)

2019-08-27 08:58:45 | みんなの花図鑑

アカメガシワの雌花です。撮ったのは昨日(8月26日)です。花期は初夏、とありますから、このアカメガシワは晩生です。





アカメガシワは 雌雄異株。この株は雌株です。赤いのは 雌しべの柱頭です。
再掲しますが、「(トウダイグサ科の)一つの重要な特徴として子房が3つの心皮が寄り集まって三室となっている点がある。つまり、中空の粘土で出来た紡錘形の塊を三つ寄せ集めたような形である。柱頭もこれに対応して三つに分かれる。」(wiki「トウダイグサ科」)






三室からなる アカメガシワの子房です。





つぎは、雄株の雄花


すぐ近くにあった 雄株の雄花です。




隣りの雌株の種子が飛んで 生えてきたのでしょうか。雄株と雌株が雑居していることはよくあります。