さよなら三角 また来て四角...日本編☆第二章☆

オーストラリアから10年ぶりに帰国。特別支援教育に携わりながら
市民農園・家庭菜園に励んでいます。

アイムソーリー法

2010年04月25日 18時43分13秒 | Web log
山形で学生をしていたとき。2つ目の大学ということもあり
結構財政的に厳しい生活を送っていた。

親のすねをかじってられませんからね。

で、トイレとお風呂共同の女性専用のアパートに住んでいました。

ある日、鍵をかけ忘れて用を足していたときに、次の人が
誰もいないとおもってドアをあけちゃったんですよ。

和式でしかもお尻をドアの方に向けてしゃがむスタイル
だったので、お尻をしっかり見られてしまいました。

で、わたしが咄嗟に言った一言

「すみません

アメリカは訴訟社会です。

簡単に I AM SORRY を言ってはいけないという話を聞いたことが
ある。何か問題が発生したときに、I AM SORRY を言うということ
すなわち、非を認めたことになる、ということ。

先日、ここでつぶやいたジョナサンが友達にスクーターでぶつかって
わたし的には納得していなかったけれど、SORRYを言うしかなかった
という話。

もし訴えられていたら、完全に訴訟に負けてましたね。

トイレの件は「被告はトイレの鍵をかけ忘れたばかりか、
非故意であるとはいえ不快にも原告に臀部をさらした。
すみませんと言った原告は事故現場にて己の非を認めたことになる。
よって被告は原告に対し、罰金○○万円を支払うこととする。」

なんてことになったりして。

ははは。

さて、隙あらばなんでもかんでも訴訟に持ち込む訴訟社会の
アメリカ。

製造者責任法だって、アメリカ発でしょ?

猫を乾かそうと思って電子レンジに入れたら焼け死んだ。
取説に「そうしてはいけない」と書いてはいないから、そうした。
愛猫の死については、電子レンジメーカーの非となる。

なんて、救いようのないあほの過失がメーカーの責任になるなんて
信じられないことが起こる社会、アメリカ。

そういえばどこぞの蒟蒻○リーの話もちょっと似たような話
かと思うのは、わたしだけですか?

社会の安全と安定、個々人の保護のために、ルールは絶対必要です。
しかし、なんでもかんでもルールにしてしまうというのは、どういう
もんかと思います。

黒か白かの判断がつきかねるグレーゾーンというのは、あいまいだけれど
必要だと思います。あってないかのような『常識』とか『良心』とかに
裁量をゆだねる部分を残しておくことは、相手に対する信頼を確保することに
つながると思うんです。

信頼ではなく、疑いが先立つところには自分を守るためのルールが
条文化されることによって自分を保護するということを明確に
しなければ、安心して生きられない。

ようするに、アメリカというのは、相手を疑うということが前提に
あって、そこから自分の権利を守るためにルールを作るという仕組み
の社会だということです。

でも、それってとても窮屈で息苦しい社会だと思うんですけれど。

いつ始まったかはわからないけれど、他州に遅れて、2001年に
アメリカのカリフォルニア州で、アイムソーリー法が可決されたそうです。
2008年にはカナダのオンタリオ州で可決され、アメリカの35州、
そしてカナダのブリティッシュコロンビアでも可決されているそうです。

これは、事故現場で「すいません」「もうしわけない」「ごめんなさい」と
言っても、証拠として採用しない、つまり、裁判において、不利にしないと
いう法律だそうです。

この法律の背景にこんな話がある。

自転車に乗った少女が自動車にはねられて亡くなった。
ところが、父親が、どんなに頼んでも、はねた相手は謝罪しなかった。
裁判で不利になることを恐れたという理由。

亡くなった子供の父親は州上院議員だったが、「わびる言葉さえ封じられた
のでは社会生活は立ちゆかない」として、この「アイムソーリー法案」を考え、
立法化の運動をすすめ、実現させたという話。

「これで安心して SORRY がいえる。」

この法律ができて、本当に良かったと思います。

でも、この父親が上院議員じゃなかったら、どうなっていたか
わかりませんがね。

しかしながら、そんなことまで条文化しなければいけないというのが、
本当にあきれるというか、なんというか。

アメリカ社会はそんな状況まで社会の中で人間の信頼関係が失われきっている
のだということ。

アメリカに追従するのが大好きな日本、日本人がそうならないように
と切に祈ります。



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