膵炎かな?と思って病院を受診し、エコーと採血だけで診断が確定することは稀です。
そのため、初期の慢性膵炎の場合は色んな検査をした上で除外診断されることも多いかと思います。
これについては、あーだ、こーだワタクシが書くより、
慢性膵炎なのかしらん?を参照して貰ったら正確で確実なので省略。
さて。
膵炎と診断するためになされる検査としては胃カメラ、大腸カメラ、CT、MRCP等があります。
お腹が痛いといえばまず胃を疑うでしょうから胃カメラは必須。
アミラーゼは大腸の病気でも上がることがあるし、
大腸と膵臓は近い場所にあるので大腸カメラもしたほうがいいでしょう。
(私の知人でアミラーゼの異常で膵臓だと言われていたのに、実は大腸癌だった人がいた)
また、膵臓の病気ならばCTが一番画像診断に適しているし、膵胆管の異常を見つけるためにはMRCPもしなくてはなりません。
以上の4つの検査のうちで、一番苦しいのが大腸カメラです。
ERCPを経験した今でも、大腸カメラとERCPどちらかを選べと言われたら悩みそうなぐらい苦しかったというシロモノ。
私の病院では大腸カメラは安定剤も麻酔もなし。
ERCPは意識のある中で挿入して、途中で俯せになり、膵臓までカメラが到達するあたりまで意識があります。
どっちもどっちです。
そして、私が検査して貰ったのは、
おやくそくの女医さんでした。
糖尿病が専門の優しくて良い先生なのです。
しかし、しかし・・・。
大腸カメラの場合、前夜から準備が始まります。
夕食は消化の良いものを軽めにとり、避けなければいけない食材を言い渡されます。
全ては覚えていませんが、
海草、きのこ、こんにゃく、ごぼう、にんじん、豆製品、種子のある果物等。
上記の食品は膵炎でも『食物繊維が多い』から避けなければいけない食品となっているのが面白いです。
食物繊維が多い=消化に時間がかかるために大腸に長く滞留してしまうからです。
そして就寝前に下剤(プルセミド)を飲みます。
便秘の人でなければ、翌朝トイレで目が覚めるはずです。
朝は絶食で病院へ。
そして、当日大腸検査をする人ばかり集められ、それから飲む2リットルのまずい下剤と出てくる便についての説明を受けます。
下剤はコップに1杯を15分ごとに飲んでいきます。
便から固形物が出なくなり、腸液だけになったら合格。
え?誰が合格を決めるのかって?
もちろん看護師さんです。
ナースコールを押して、看護師さんに出したものを見て頂くのですよ。

何人か集まった患者が、黙って次々にトイレに立っていく姿はちょっと笑えるものがあります。
私はもともと便秘にも縁がなかったし、腹痛で食事がほとんど取れていなかったため1.3リットルで合格が出ました。
もうこれ以上飲めない!と思っていたので、ほっと一息。
しかし、最高4リットル飲んだ方がいるそうです。
私には無理だ。
午後一番で大腸カメラの検査開始です。
合格した人から順番に呼ばれるのです。(笑)
勿論、私は一番でした。
はい、ここで女医さん登場です。
最初は大腸カメラだし、女医さんでラッキーと思いました。
いきますよ~という声とともに大腸カメラ挿入。
最初はどうってことないのですが、大腸は曲がるところがあるので、その時に大量にお腹に空気を送り込まれるのです。
これが半端でなく苦しい。
最初のカーブはなんとかなったけど、次のカーブの時に激痛が襲いました。
『痛いぃぃぃぃぃぃぃ』
涙ボロボロです。

力を抜いてと言われても抜けませんってば。
助けてぇ。
結局、そこから先は進まず、私が外科手術をしていることもあって、もしかしたら癒着があるのかも?ということになり、精神安定剤を少し注射して貰えました。
その後の検査は無事終了。
初めから安定剤を使っていてくれたらと思うけど、検査後休む部屋の数がたくさんはないので全員に安定剤は無理なよう。
結果は
「すごい綺麗な腸ですね。便秘もしたことないんですね。」
喜ばしい結果なのだが、生みの苦しみを思うと空しい。
大腸カメラほど術者によって苦痛に差がある検査はないようです。
そして、後に入院患者の人や、かかりつけ医の看護師さんから聞いたところによると、その女医さんは大腸カメラが下手で有名だったらしい。
うそ~ん。
まっ、まあ、ドクターも練習しなきゃ上手にならないので、これも仕方ないと思うのですけどね。
一度経験した今となっては、次は最初から安定剤つきか殿指名でないとやりたくないなあ。
殿指名といえば、殿がモ●スター患者様から言われてたことがありました。
『一番上手なのを出せ』
って。
そのモ●スターさんは殿病院では初めての検査だったらしいのだが、他の病院で検査をした時にすごく苦しかったので、最初からエースを出せと主張してたのです。
殿、若く見えるからそれでペーペーだと思われちゃったんだろうなあ。
めちゃ苦笑しながら、「私より上には部長が1人いるだけです。何時になるかわかりませんよ。」と答えてました。
殿を拒否ってどうすんねんと思いながら見てましたが、そのモ●スターさまは「こう言えば、一番うまいのが出てくるんや。」と得意満面でしたわ。

みんながこんなことやったら医療はなりたたないのにね。
はっ、つまりは私も女医さんで我慢しろってこと

・・・オチは結局ここにくる