母の病名です。
公費負担難病ですから、慢性膵炎の上をいってます。
原発性胆汁性肝硬変(PBC)とは、
肝臓のなかの小葉間胆管から隔壁胆管にかけての部位が、
自己免疫の機序によって徐々に破壊されるために胆汁の流れが悪くなり、
その結果「慢性肝内胆汁うっ滞(=慢性非化膿性破壊性胆管炎)」が起こり、
最終的には肝硬変へと進行する病気です。
肝硬変という病名がついていますが、最初から肝硬変というわけではなく、病気の最終段階として肝硬変になります。
難病ですから、治療法は確立しておらず、
ウルソというお薬によって、
進行を遅らせることができる、とされています。
母が発症したのは今から10年ぐらい前。
思えばもっと前から血液検査には兆候が出ていたのですが、
当時はまだ「原発性胆汁性肝硬変」という病名がメジャーではなかったために、
診断が遅れてしまいました。
母はたまにつきあいでお酒を飲むぐらいなのに、
定期健康診断で「お酒は控えめに」と言われ、
「そんなに飲んでないのに?」と母は首を傾げていました。
γーGTP、GOT、GPTが2~3倍ぐらいの数値でした。
原発性胆汁性肝硬変は中年以降の少し太めの女性に多い病気です。
お酒を飲まないのに肝機能が悪い場合には、
現在ではこの病気を疑って更に検査を進めるようになっているようです。
母が最初に入院したのは今から8年前。
食道静脈瘤破裂によって大吐血を起こしたのです。
原発性胆汁性肝硬変の初発症状としては皮膚のかゆみが最も多く、
黄疸が次点なのですが、
ごくまれに、
肝硬変になる前から門脈圧亢進が先行して、食道静脈瘤で発見されたり、
また、その破裂による消化管出血を初発症状とする患者がいるそうで、
さすがワタクシの母。
少数派に見事に属したらしく、初発症状が食道静脈瘤でした。
大吐血によりヘモグロビンは4。
生きているのがおかしいと言われたものです。
当時は必死になって母の病気のことを調べたものですが、
肝臓というのは普通に生活できるため、つい病気であることを失念してしまうのです。
いや、そうじゃないな。
調べれば調べるほど良いことが書いてないので、
できれば目を反らしたいという気持ちが私の中にあったことは否めません。
膵炎が調べれば調べるほど、
食事療法と生活指導でそれなりに生活できることがわかるのとは真逆です。
難病センターの情報によると、
既に症状の出ているsーPBCの5年、10年生存率は
それぞれ89%、69%となっています。
これを見てもわかるとおり、
予後のあまりよくない病気なのです。
先日のエコー結果によると、
母の肝臓は既に肝硬変の症状をきたしており、胆管もかなり太くなってきているとのこと。
それを聞いても、どれぐらいの状態なのかがピンと来ず。
これじゃいけないなあ、と
肝臓について勉強しなさなくては反省いたしました。
肝臓は膵臓とは違って頑張る臓器だから、
多少怠いだけで普通に動けてしまうのが難点。
といって、生活で気をつけることはないらしいので、
これまた難しいのですが。
肝硬変の本は山ほど世の中に出回っていますが、
「原発性胆汁性肝硬変」に絞った本は
ドクター向けのものしか出ていないようです。
慢性膵炎のドクター向けの本は読破できなかったワタクシですが。
ヒマなことだし、頑張って読んでみようかな。
たまには真面目に記事を書いてみました。
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