水の門

体内をながれるもの。ことば。音楽。飲みもの。スピリット。

断捨離作業からの拾い物⑴

2019年09月02日 13時42分06秒 | ドライヴ・ミュージック
 今のように私が音楽からとんと縁遠くなってしまったのは、FEBCラジオを聴くようになってからであるのはほぼ間違いない。日記を辿るのが面倒なのであくまで記憶の範囲だけれども、FEBCを聴き始めた時期は乳がんが見つかる前の2011年頃だったと思う。FEBCにはその後大変お世話になり放送には日々支えられているのだから、難じるようなことは正直憚られるのだが、音楽鑑賞に時間を割けなくなったのは実感としてある。
 そうなってから音楽を改めて聴く時間は、調べ物的にYouTubeで聴くかあるいは2013年に買った自分の車の中においてかに、次第に絞られていった。最近も状況はさほど変わっていない。ただ、乳がん発症後に「終活」のため意識的に断捨離するようになって、「これは今処分に相当する音楽か、まだ手元に所持しておくべき音楽か」という冷徹な基準で選盤されたCDを車に持ち込んで聴き「選別」するという、味も素っ気もない作業を繰り返していた。自然、音楽を聴くのも楽しくなくなってくる。何しろ自分は「選別」マシーンなのだから。
 そんな中で「キープ」物件を発見すると、断捨離が前進しないもどかしさを感じつつも、ちょっとした嬉しさもあった。今回ご紹介するヴィンス・ギルの『When Love Finds You』もそうした一枚である。

 ヴィンス・ギルを知ったのは、映画『プリンス・オブ・エジプト』の《Nashville》というカントリー畑アーティストらによるインスピレーショナル・アルバムに収められていたためである。『When Love Finds You』自体は、リリースからだいぶ時を経て中古を購入したように思う。その頃はまだ色々CDを買い漁っていた時期で、このヴィンス・ギルも一通り聴いたが、one of them という感じで通り過ぎていた。
 だからこそ「選別機」にかける気にもなったのであるが、これが意外や意外、とても良いのだ。車で聴くCDは連続で聴くのは二周がいいところ。だがこのCDは、たまたま乳がんの定期的な受診に県立中央病院へ行くタイミングで車にあったため、四周くらい聴いた。実は今回の受診では、心が揺れるような案件が発生した。その気持ちを落ち着かせるためにもこのCDは打ってつけだった。
 『When Love Finds You』を通しで試聴できるサイトは見つけられなかったので、その一曲目「Whenever You Come Around」のYouTubeをここに貼っておく。

Vince Gill - Whenever You Come Around

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