LUNACY

cygnus' blog

『2つ目の窓』

2014-08-03 14:33:44 | 映画
河瀬直美監督
第67回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式招待作品

テアトル新宿

主役の界人(カイト)役が村上虹郎。
河瀬監督『沙羅双樹』の福永幸平くん(そういえばこのコも奄美大島出身)に雰囲気似ていて、あぁ監督さんはこういう路線の男の子がお好みなのねと思ってみたり(笑)。
とくに前半は、雰囲気やオーラで語るお芝居が多かったかな。
そのアタリとか、キスシーンの運びとか自転車の多用とかも「沙羅双樹」と似ている感じ(笑)。
個人的には、顔がムラジュンよりUA(母親)の方に似ているじゃない?と思ってみたり。

役の上でも父親役の村上淳との共演だったけれど、父親のムラジュンの方がなんかぎこちない演技だった気がする(笑)。

後半、松田美由紀がテーマの鍵となる役を頑張ってましたね。
実際、僕自身、人が家で死にゆく場面をリアルに見たことないから、本当にああいう感じなのかはわからないけれど、人々に囲まれながら看取られるというのは、幸せなのじゃないかと思いました。単純すぎるかな。

ストーリー全体としては、そういう「いのちの場面」に出くわしながら成長していく少年少女(高校生カップル)を通しての生命讃歌って感じ。

ただ、男の子ってそういうものなのかな?女の子ってそういうものなのかな?という疑問が終始ぬぐえなくて、ああいう感じである気もするし、そうでもない気もするし。
また、時代背景や地域背景の違いもあるだろうけれど、自分の過去のリアリティとなかなかシンクロナイズしにくいところがありました。
それは、モチロン、共学校出身であるにもかかわらず、フツーの人と同じような若い時代の日常を送れなかった僕の薄っぺらい過去によるものもあるんだろうし、家庭的なリソースの違いもあるのだろうなとも思うわけです。

ほかに、彼女のオヤジ(杉本哲太)がサーフィンに熱いキャラ設定なのにサーフィンしているシーンがないっていうのは、ちょっと淋しいかも(汗)。

それから、ガジュマルの木が乱暴に切られるシーンはせつないものがありました。

最後に、以前から、河瀬監督の映画の場合、ユーモアや笑いとりが少ないのが、ときどきシンドイけれど、まぁコレは監督の味ということで。
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