シネスイッチ銀座
第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門審査員賞、エキュメニカル審査員賞
真面目で重い映画なのはわかっていて観たのだけれど、やはり、しんどかったかな。
主役子役が、聡い賢い少年だから、なおさら、残酷なところの深さが際立ったんだと思う。
前半から中盤にかけては、「火垂るの墓」を地で行く感じでした。
ただ、この作品、ものすごく重い問いを投げかけていて、
親の子を持つ自由の権利を剥奪することは誰にもできないというのは、近代の人権の基礎基本のことがらで、
子どものいうような、育てられないなら子どもを作るなという考えは、優生思想に繋がりかねずあやうく、
だからこそ、施政者・行政は、貧困を放置してはならないわけです。
この国家・行政の責任であるという方向に議論が向かわないことが(最近の日本を含む世界各国)、僕の不安。
ほか、
レバノンは、キリスト教も多い国であるということ(イスラム教が圧倒的多数を占めているわけではない)も思い出させてくれる映画でした。
(※この記録をつけたときは、エキュメニカル審査員賞受賞作品でもあるのを知りませんでした)