3月11日に開催、オリンピック最終選考会、そして新旧の実力はランナー勢揃いということで
目が離せなかった名古屋ウイメンズマラソン。
予想以上の激烈な展開に、日曜日の朝はご用事を片付けようという下心は粉砕されて、
12時になってしまいました。
舞台は整っていました。
朝の明るい光、風も弱い、そして長い直線路が続く前半。
8年前のオリンピック金メダルの伝説を現実との狭間に突き抜けて帰ってきた野口みずきさん、
実績による淡い期待を振り切って決意の参加をした赤羽有紀子さん、
代表レース3戦目という戦歴を踏み台に立ち上がった尾崎好美さん、
旧日本記録保持者の称号と、いつも実力者といわれ続けたボディブローを鎧に替えた渋井陽子さん、
新聞スポーツ面のトップを飾ってきた人だけでもこれだけ揃い、
そしてこの皆さんが、今日のレースのどこかで自分の思いを仕掛ける見せ場を持っていました。
数百メートルの遅れを流れるフォームの復活から先頭に立ち、歯を食いしばり、給水のミスを取り戻し・・・・
42.195キロのあらゆる局面にドラマがありました。
後半の気温上昇で、タイムは2時間24分台と他の選考レースより悪くなったので、
おそらく今回のレースからのオリンピック選出で揺るぎないのは、尾崎さんだけでしょう。
あとは明日の陸連選考委員会が、どのような議論で納得をしあうかということになります。
選手にとっては結果が第一。
でも、観客の私たちは、まさに今日という日を深く考え記憶して、
今日この後すぐに自分の道をしっかり歩こうと決意させてくれるような、
感動の名古屋ウイメンズマラソンでした。