ちょっと間があいてしまいましたが韓国便りの続きです。
今回も,ディープソウル探検隊の面々が集まってくださいました。さらに私のブログを読んでくださっているという新しい仲間も加わりました。ありがたいことです。
さて,われわれが向かったのは東大門。
探検隊のみなさんによれば,ここに「ロシア街」が存在するというのですね。私が住んでいた3年前にも,このあたりにロシア人が多く,ロシアンレストランがあるということは噂で聞いていましたが,行ったことはありませんでした。ここ3年の間に,ロシアだけではなく,旧ソ連から分離独立した「~スタン」の国々のエスニックレストランも増え,キリル文字の看板が並んでいるということです。
候補の店が3軒ほどあり,すべて回ろうということになりました。
まず向かったのがロシア料理の店。韓国語があまり通じないし,店の人の感じは悪いということでしたが,ヨノ(サケ)のマリネが絶品だというので外すわけにはいかない。
われわれが店に入ると客は一人もいない。店の人の気配もない。あまりやる気がなさそうです。
しばらくしてオーダーをとりにきたのは,外見は東洋系で,韓国人っぽく見えるのですが,韓国語は上手ではない。高麗人(スターリンによって沿海州から強制移住させられた朝鮮系の人々)かもしれません。けれども,たどたどしくも一生懸命コミュニケーションをとろうとしている姿は好感がもてました。
注文したのはロシアの代表的なスープ,ボルシチ。羊肉のロシア式マンドゥー(蒸し餃子)。サーモン。そして鰊(ニシン)のマリネです。
ロシアの酒といえばウォッカですが,いきなり酔っぱらってしまうと料理の味がわからなくなってしまうので,まずはビール。
ロシアにはバルチカというブランドのビールがあり,番号によって種類が違うらしい。その店にあるすべての種類を出してもらいました。あったのは3番,6番,7番,9番。
3番はごく普通のビール。くせのない味でした。6番は黒ビール。ライ麦を焦がして作るそうです。9番が曲者。度数が8度。色もやや濃く,韓国の爆弾ビール,カスレッドに似た味です。7番は軽い飲み口でいちばんおいしいと思いました。
まずでてきたのがボルシチ。トマトスープのような色合いでしたが,トマトではなく赤カブでこのような色がついているとのこと。やや酸味のあるおいしいスープでした。
続いて出てきたのがサーモンと鰊。
「あれ,前と違うな」
リピーターのK氏とS氏が不審顔。前に食べたときは,もっと大きなサケの肉塊がドカッと出てきたそうです。今回のは,一見するとどこにでもありそうな薄手のサーモンに,オリーブが添えられている。
まあまあおいしいと思いましたが,S氏によれば,以前食べたものを100点満点とすると30点とのこと。ニシンはそれほど生臭みもなく,いけます。
最後にでてきた羊のマンドゥーが個人的にはいちばん気に入りました。
一時間近く遅れてやってきた高木正雄さんは,寝不足だそうです。実はこの日の明け方,W杯一次リーグ,日本-デンマーク戦があったのですね。私は早寝をして3時30分に起きましたが,高木さんは,前夜飲んでいてそのまま眠らず観戦に突入。朝,チムチルバンで1時間ほど寝ただけだということです。それでもかつて食べたというスウェーデンが誇る悪臭料理,シュールストレミングなどの話題で盛り上がります。
次に向かったのが,その近くのウズベキスタン料理の店。
こちらは一見して外人のアジュンマが注文をとりに来る。串焼きに,羊の唐揚げでまずはビールで乾杯。ビールは先ほどのロシアレストランと同じバルチカで,3番を頼みました。
そのほかのお酒を聞くと,ウズベクアジュンマは3種類のウォッカの瓶をもってきた。どれも飲んだことがないので,適当に頼みました。韓国ではウイスキーもストレートで飲むので,ウォッカもストレート。度数はウイスキー並だったと記憶しますが,定かではありません。
一角には,ロシア人なのか「~スタン人」なのかわからない一団がいました。
高木さんは,日本語を勉強している韓国人高校生たちに,ボランティアで日本語を教えているらしいのですが,その生徒たちを連れて,ソウルで体験できる「異文化体験ツアー」を企画しているそうで,すでにカリボンの朝鮮族街,そしてこのロシア街に連れてきたとのこと。
三番目に向かったのがモンゴル料理店でした。
ここも看板がキリル文字だった。モンゴル共和国は長らく使われていなかったモンゴル文字を復活させようとしていると聞きましたが,まだ定着していないのでしょう。
薄暗い階段をあがっていき,やはり薄暗い店内に入る。こらちはいかにもモンゴル顔の体格のいいお兄さん。モンゴル料理はよくわからないし,暗くてメニューも読めないので,となりのモンゴル家族たちが食べているチャプチェ(雑菜,野菜と春雨の炒めもの)みたいなものを指さして,同じものを頼みました。
ビールはやはりバルチカ。このあたりの店はバルチカで統一されているようです。
モンゴル風チャプチェの味は…。直前のウォッカの酔いが回っていたこともあり,よく覚えていません。
隣に席にはいつのまにかロシアっぽいアジュンマたちの一団がすわっている。そして,なにやら韓国語で私たちに話しかけてきた。
「お兄さんたち,私たちと遊んでいかない?」
「えっ?」
(遊ぶっていったい…)
「いえ,結構です…」
そして最後に向かったのがミョンドンのバー。例の金の山を所有する兄弟をもつモンゴル人女性と結婚した弟をもつアガシがやっている店です。残っていたジョニ黒を傾けながら,金の話の続きを聞きましたが,こちらもよく覚えていない。漠然と楽しかった,ということだけは覚えています。
こうして,今回の出張の最後の晩は更けていきました。韓国に出張に来て,こんな異次元体験ができるとは思ってもいませんでした。
探検隊のみなさま,ありがとうございました!
今回も,ディープソウル探検隊の面々が集まってくださいました。さらに私のブログを読んでくださっているという新しい仲間も加わりました。ありがたいことです。
さて,われわれが向かったのは東大門。
探検隊のみなさんによれば,ここに「ロシア街」が存在するというのですね。私が住んでいた3年前にも,このあたりにロシア人が多く,ロシアンレストランがあるということは噂で聞いていましたが,行ったことはありませんでした。ここ3年の間に,ロシアだけではなく,旧ソ連から分離独立した「~スタン」の国々のエスニックレストランも増え,キリル文字の看板が並んでいるということです。
候補の店が3軒ほどあり,すべて回ろうということになりました。
まず向かったのがロシア料理の店。韓国語があまり通じないし,店の人の感じは悪いということでしたが,ヨノ(サケ)のマリネが絶品だというので外すわけにはいかない。
われわれが店に入ると客は一人もいない。店の人の気配もない。あまりやる気がなさそうです。
しばらくしてオーダーをとりにきたのは,外見は東洋系で,韓国人っぽく見えるのですが,韓国語は上手ではない。高麗人(スターリンによって沿海州から強制移住させられた朝鮮系の人々)かもしれません。けれども,たどたどしくも一生懸命コミュニケーションをとろうとしている姿は好感がもてました。
注文したのはロシアの代表的なスープ,ボルシチ。羊肉のロシア式マンドゥー(蒸し餃子)。サーモン。そして鰊(ニシン)のマリネです。
ロシアの酒といえばウォッカですが,いきなり酔っぱらってしまうと料理の味がわからなくなってしまうので,まずはビール。
ロシアにはバルチカというブランドのビールがあり,番号によって種類が違うらしい。その店にあるすべての種類を出してもらいました。あったのは3番,6番,7番,9番。
3番はごく普通のビール。くせのない味でした。6番は黒ビール。ライ麦を焦がして作るそうです。9番が曲者。度数が8度。色もやや濃く,韓国の爆弾ビール,カスレッドに似た味です。7番は軽い飲み口でいちばんおいしいと思いました。
まずでてきたのがボルシチ。トマトスープのような色合いでしたが,トマトではなく赤カブでこのような色がついているとのこと。やや酸味のあるおいしいスープでした。
続いて出てきたのがサーモンと鰊。
「あれ,前と違うな」
リピーターのK氏とS氏が不審顔。前に食べたときは,もっと大きなサケの肉塊がドカッと出てきたそうです。今回のは,一見するとどこにでもありそうな薄手のサーモンに,オリーブが添えられている。
まあまあおいしいと思いましたが,S氏によれば,以前食べたものを100点満点とすると30点とのこと。ニシンはそれほど生臭みもなく,いけます。
最後にでてきた羊のマンドゥーが個人的にはいちばん気に入りました。
一時間近く遅れてやってきた高木正雄さんは,寝不足だそうです。実はこの日の明け方,W杯一次リーグ,日本-デンマーク戦があったのですね。私は早寝をして3時30分に起きましたが,高木さんは,前夜飲んでいてそのまま眠らず観戦に突入。朝,チムチルバンで1時間ほど寝ただけだということです。それでもかつて食べたというスウェーデンが誇る悪臭料理,シュールストレミングなどの話題で盛り上がります。
次に向かったのが,その近くのウズベキスタン料理の店。
こちらは一見して外人のアジュンマが注文をとりに来る。串焼きに,羊の唐揚げでまずはビールで乾杯。ビールは先ほどのロシアレストランと同じバルチカで,3番を頼みました。
そのほかのお酒を聞くと,ウズベクアジュンマは3種類のウォッカの瓶をもってきた。どれも飲んだことがないので,適当に頼みました。韓国ではウイスキーもストレートで飲むので,ウォッカもストレート。度数はウイスキー並だったと記憶しますが,定かではありません。
一角には,ロシア人なのか「~スタン人」なのかわからない一団がいました。
高木さんは,日本語を勉強している韓国人高校生たちに,ボランティアで日本語を教えているらしいのですが,その生徒たちを連れて,ソウルで体験できる「異文化体験ツアー」を企画しているそうで,すでにカリボンの朝鮮族街,そしてこのロシア街に連れてきたとのこと。
三番目に向かったのがモンゴル料理店でした。
ここも看板がキリル文字だった。モンゴル共和国は長らく使われていなかったモンゴル文字を復活させようとしていると聞きましたが,まだ定着していないのでしょう。
薄暗い階段をあがっていき,やはり薄暗い店内に入る。こらちはいかにもモンゴル顔の体格のいいお兄さん。モンゴル料理はよくわからないし,暗くてメニューも読めないので,となりのモンゴル家族たちが食べているチャプチェ(雑菜,野菜と春雨の炒めもの)みたいなものを指さして,同じものを頼みました。
ビールはやはりバルチカ。このあたりの店はバルチカで統一されているようです。
モンゴル風チャプチェの味は…。直前のウォッカの酔いが回っていたこともあり,よく覚えていません。
隣に席にはいつのまにかロシアっぽいアジュンマたちの一団がすわっている。そして,なにやら韓国語で私たちに話しかけてきた。
「お兄さんたち,私たちと遊んでいかない?」
「えっ?」
(遊ぶっていったい…)
「いえ,結構です…」
そして最後に向かったのがミョンドンのバー。例の金の山を所有する兄弟をもつモンゴル人女性と結婚した弟をもつアガシがやっている店です。残っていたジョニ黒を傾けながら,金の話の続きを聞きましたが,こちらもよく覚えていない。漠然と楽しかった,ということだけは覚えています。
こうして,今回の出張の最後の晩は更けていきました。韓国に出張に来て,こんな異次元体験ができるとは思ってもいませんでした。
探検隊のみなさま,ありがとうございました!
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