韓国に赴任した駐在員なら,一度は爆弾酒の洗礼を受けます。
私の韓国での最初の上司はお酒が好きで,また強い人だったのですが,
「酒を飲んで翌日遅刻するようなら,酒を飲む資格がない」
というポリシーをもっていたので,深酒をしても、翌日は這ってでも定時までに会社に行くようにしていました。
しかし,この10年間で,ただ一回だけ失敗したことがあります。
その原因が爆弾酒。
その日は、東京で知り合った韓国人留学生が韓国に戻って政治家秘書になっていたのですが,その友人(韓国人),日本人の新聞記者など5人で飲んだのです。
一次会はたしか,ミョンドンのコプチャンクイ(ホルモン焼き)の店。
二次会は武橋洞のナクチ(タコの激辛炒め)。
ナクチの店でウイスキーとビールを注文した。
爆弾酒というのは,ビールグラスにビールを七分目ほど注ぎ,ショットグラスのウイスキーをグラスごとその中に沈めたもの。それを,ワンショット(イッキの韓国式表現)で飲み干して,軽く振る。すると,ビールグラスとショットグラスが触れ合って,カランカランと小気味のよい音(今思い返すと身の毛のよだつ音)がする。飲み干した人は,次の人のために,さき程と同じ手順で爆弾酒を作り,隣に回す。
いろんな話をしながらも,飲み干して次を作る手は決して休めない。
かれこれ,5周はしたでしょうか。
韓国最辛のムギョナクチの刺激とあいまって,爆弾酒が胃の中で炸裂しました。
どのように帰ったかも記憶にありませんが,夜通しベッドとトイレを往復し,胃腸はよじれ,のたうち回りました。
次の日,さすがに這っていくことさえままならず,午前中は半休,午後,やっとの思いで会社にはたどりついたものの,ほとんど仕事にはなりませんでした。
似たものにヘオリジュ(竜巻酒),水爆などというおどろおどろしい新型爆弾もあるようですが,怖くて教えてもらっていません(こういう話は,商社の人が詳しいようです)。
そもそも,爆弾酒の起源は,朴正煕大統領の軍事政権時代に遡るらしい。
そのころは,休戦状態,準戒厳令状態で,夜間外出禁止令が敷かれていた。ですから,酒を飲んでも夜12時までには家に帰り着かなければならない。でなければ,木賃宿に泊まるか。
そのころは今のような一日8時間労働ではなく,夜遅くまで働いていた。飲み助たちは,夜9時ごろから1~2時間の間にすばやく酔う必要があったのですね。そこで発明されたのが爆弾酒。軍事政権時代の名残りだということです。
韓国人の中には,新しく赴任してきた日本人を面白がって酔いつぶそうとする人がいるので,要注意。
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しかしそれ以上に、ソジュの返盃返盃でひどい目に遭いました。
最近は特に相手をつぶそうとする人には、体に悪いからときっぱりと断ることが増えました。
最近はこの悪習を絶とうという動きも。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/09/14/20050914000078.html
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/10/04/20051004000036.html
来ていた大学生の人たちから飲まされました
。
そん時は、ビールといいちこを混ぜて飲んだ
んですけど、コップがでかかったんで、
かなりやばかったです。
爆笑と爆掃(爆弾酒掃討)は同音異義。
国会議員にしてはいいセンスです。
>ビールといいちこ
生の焼酎はきついけれど、ビールで割ると飲みやすいなどといっていたアジュンマを知っています。