犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

ベトナム技能実習生の物語

2024-11-04 15:53:27 | 

 選挙の少し前、行きつけのカフェに行きました。

 そこには地元の選挙区から今回の選挙に立候補した、ある候補者のパンフレットが置いてありました。

「ああ、この人、前にお店で会った…」

「よく来ますよ。事務所が近いからね」


 前に会ったとき、三味線を持っていて、今時珍しい人だなあと思いました。

 私の亡くなった伯母が小唄の師匠だったこともあり、三味線に関して二言三言、言葉を交わしたのです。

「選挙に出るんですね」

 パンフレットに目を通しました。

 大阪出身。祖父も叔父も父も警察官一家に生まれ、大学生時代から埼玉県民。社会学を専攻し、現在行政書士。博士課程に在籍しつつ、「ベトナム国立フエ大学」の特任教授を務めるという異色の経歴です。

「ベトナムの大学教授で、ベトナムに関する本も書いてるんだ!」

「この前もらいましたよ。その後ろにある…」


『アインが見た、碧い空。――あなたの知らないベトナム技能実習生の物語』(近藤秀将著、学而図書、2022年刊)

 アニメのような表紙の、ソフトカバーの本でした(冒頭写真)。

「おもしろそうですね!」

「ぼくはまだ読んでないけど」

「読んでみようかな」


 家に帰って、早速アマゾンで注文。

 翌日、ページをめくってみましたが、自分が行政書士としてかかわったベトナム人技能実習生を主人公とするフィクション。でも、行政書士とか、警察官の父をもつ女学生とか、大学の先生とかが出てきて、著者のこれまでの実体験をもとにした、半ノンフィクションのようです。

表紙のイメージとは違って、日本の技能実習生制度の問題点を衝く、硬派な主張の小説でした。

(この人に投票しようかな。ほかに支持者もいないし)

 ところで私の選挙区(埼玉9区)は、自民党の大塚拓が5選していました。

 私が1年前にクラシック・コンサートで出会った国会議員がその人です。

バッハザールの夕べ

 しかし、大塚はいわゆる「裏金議員」。今回の選挙では大きな「逆風」が吹き、奥さんで、参議院から鞍替えして東京7区から立候補した丸川珠代ともども、あえなく落選。

 埼玉9区では、立民の杉村慎治が当選。本の著者、日本維新の会から出た近藤秀将は大塚拓に続く3番目で落選しました。

 私も1票を投じましたが、残念なことです。

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