私がかつて韓国でタイ語を勉強していたとき、韓国で出ていたタイ語の学習書(解説は韓国語)に、
カオ スーング
という例文がありました。
そのとき、タイ語の家庭教師(18歳タイ人男性)は、この文章に意味について
山が高い
と、
彼(彼女)は(背が)高い
の二つの可能性がある、文脈がないと決まらない、と言っていました。なお、韓国語の訳は「山が高い」となっていました。
タイ語の「カオ」は、山と三人称代名詞(彼/彼女)の同綴異義語。ただし、山の場合は声調が綴りの規則通りに「上声」であり、「彼/彼女」は例外的に「高声」になるので「同音異義語」と言うことはできません。
また、通常、山は「カオ」ではなく「プーカオ」といい、「彼は背が高い」という場合は「彼は背が高い人です(カオペンコンスーング)」と言うので、この「カオスーング」という例文は、文法学習のためのやや不自然な例文なのかもしれません。
ここで、例のサイトパルで試してみました。タイ語には残念ながら、「ナリサさん」しかいない。
ナリサさんは、カオスーングのカオを上声で、すなわち「山は高い」の意味で読んでいました。サイトパルの中では比較対象がないので、グーグルでも試してみましたが、こちらも同じ。
ところが、カオを高声で発音すべき、カオペンコンスーングのほうも、カオはほとんど同じように発音されていた。
どうもタイ語の読み上げ機能は、綴りの規則通りに発音するように設定されているようです。
じゃ韓国語の場合はどうか。
韓国語のヌンには目と雪という意味があります。ところが、韓国語学者によれば、この二つは母音の長さが違うということです。たしかに韓国のウェブ辞書の音声を聞けば目のほうはヌン(→りんく)と短く読まれ、雪のほうはヌーン(→りんく)と長く読まれている。
綴りだけからでは正しい発音がわからないという意味で、タイ語の山/彼(彼女)のケースと似ています。
ま、実際にこれをきちんといい分けている韓国人は少ないと思いますが。
サイトパルの声優は三人。ジュンウ氏、ユミさん、ナレさんです。彼らに次の二つの文を読んでもらいました。
雪が降ります。(ヌーニネリョヨ)
目が痛いです。(ヌニアパヨ)
すると、3人とも心持ち「雪」のほうを長めに読んでいました。一方、グーグルは、「ヌン/ヌーン」をどちらも同じ長さで読んでいるようです。
グーグルは韓国語の、ハングル表記に表れない長短母音の区別に無関心、サイトパルは区別を設定しているようです。
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