犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

インドネシア語の複数形

2018-09-02 18:08:05 | 言葉

 インドネシア語で、名詞の複数を表す時、同じ言葉を重ねるということを、10年以上前の当ブログで紹介したことがあります(リンク)。

人(オラン)の複数形は、オランオラン

犬(アンジン)は、アンジンアンジン

猫(クチン)は、クチンクチン

というように。

 オランウータンはもともと複合語で、オランは人、ウータンは森、合わせて「森の人」という意味です。

 で、オランウータンの複数形は、

オランウータンオランウータン

になります。

 ところで、インドネシア語には、もともと単数形が繰り返し言葉になっているものがあります。

 たとえば、蝶を表すクプクプ

 クプという言葉はなく、クプクプが一匹の蝶を表します。

 そういえば、日本語のちょうちょ(蝶々)も複数を表すわけではありませんね。

 では、クプクプを複数にするとどうなるか。

 はい、ご想像の通りです。

クプクプクプクプ

 単数形が繰り返し言葉になっている例は動物の名前に多く、

クラクラ(亀)
ラバラバ(蜘蛛)
ルンバルンバ(イルカ)
チュミチュミ(イカ)

などがあります。

 そのほかにも、

チュチュ(孫)
チンチン(指輪)
クク(爪)

なんてのもある。

 これらもすべて、複数形は二つ重ねる。

 クラクラクラクラ、ラバラバラバラバ、ルンバルンバルンバルンバ、チュミチュミチュミチュミ、チュチュチュチュ、チンチンチンチン、クククク…

 なお、インドネシア語で「私」はアクといい、「私の」は名詞にクを後接させるので、「私の爪」は「ククク」、「私の(複数の)爪」は「ククククク」になります。

 ま、理屈ではそうなんですけどね。

 インドネシア人に聞いてみると、別に複数であることをわざわざ言う必要はないし、もし言いたいなら、「バニャック(多くの)」という言葉を名詞に前接させることが多いそうですが。

 繰り返し言葉は副詞にもあって、「ゆっくり」はプランプラン。なんか、感じが出てますね。

私は指輪をゆっくりはめた」は、

アク・ムマカイ・チンチン・プランプラン。

 それがどうした?と聞かれると困りますが。


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