韓国在住26年で、このたび韓国の拠点を引き払って、「完全帰国」されたKさんと東京で飲みました。
待ち合わせたのは総武線大久保駅。駅前に、最近見つけたインドネシア料理屋さんがあり、そこに誘いました。数日前にも行ったのですが、閉店時刻(21時)間際だったので入れなかったのです。
「ほくは前に行ったことがあるかもしれません。牛肉料理がおいしかったことを覚えてます」
「大久保じゃなくて新大久保にも1軒ありますよ、インドネシア料理」
「じゃそっちかも」
エレベーターのない雑居ビルを3階まで上がったところにあります。
「スラマッマラム(こんばんは)」
「スラマッマラム!」
若いインドネシア人女性が迎えてくれます。店の名前は「ビンタン・バリ(バリの星)」。
「ここはバリ料理の店ですか?」
「ええと…、前はそうだったんですけど、今はジャワ料理です。主人がジャワ人なので」
「でも店の名前が…」
「ああ、変えるのが面倒で…」
「…」
ビンタンビール(バリ島のビール)と、牛肉料理のルンダン、サラダなどを頼みました。
「帰国のきっかけは?」
「介護です。母の認知症がひどくなってきて…」
「それは大変ですね」
「犬鍋さんのほうも奥さんが…」
「ええ、でも軽かったから。今、リハビリ中です。いずれ普通の生活に戻れると思いますよ」
「よかったですね!」
その後、ソウル時代の思い出は、共通の知人の話など、汲めども尽きぬ話が。
「店変えましょうか」
「いいですね」
大久保通りを新大久保駅に向かって歩きます。
「このへんの韓国バーにも行きましたね」
新大久保の手前の線路際の道には、東南アジア系の店が多い。
「8か国料理店か…。おもしろそうですね」
「入ってみましょうか」
インド、ネパール、ベトナム、タイ、シンガポール、マレーシア、中国、韓国の計8か国の料理が楽しめるんだそうです。
「じゃここではベトナムを攻めましょう」
ベトナムビールと、ブタのホルモンを茹でた料理を頼みました。運んできたのはネパール人。客は東南アジア系もいるけれども、エスニック好きの日本人も多い。
「なかなか面白い店ですね」
「値段もリーズナブルだね」
「区役所通りにアイっていう店がありましたね」
「ああ、あそこは韓国人がやっていたけど、代替わりして普通のバーになったはず。大阪に転勤になってからは行ってないなあ」
3軒目はアイに。店のアガシと女性客が韓国語で話していました。
「また韓国バーに戻ったみたいだね」
女性客が帰ったあと、アガシに韓国語で聞いてみました。
「ここは韓国人のお客さんが多いんですか」
「さっきの女性は日本人ですよ」
「えっ? 韓国語、すごい上手でしたね」
「お客さんもね、ハハハ」
「まあ、長く住んでましたから…」
「何年?」
「あててみて」
「3年?」
「もっと」
「5年?」
「もっと、もっと」
「じゃあ、10年以上ですか?」
「26年です」
「ぼくは11年。ずいぶん前の話だけど」
「すごい!」
しばらく韓国語で歓談しました。
「この近くにワバーってあったよね」
「今もありますよ」
「じゃ行ってみようか」
ワバーのほうも、昔と変わらず、韓国語が飛び交っています。
「なんか、日本に帰ってきた気がしないなあ」
相手をしてくれたアガシは、両親が日本に住んでいて、自分は韓国のおばあちゃんの家で育ち、数年前に日本に来たとのことで、日本語も上手。
とはいえ、4軒目で酔いが相当回ってきていたので、何を話していたかよく覚えていません。
韓国語でパワハラを「カプチル」と言うとか、猫も杓子もは「ケナソナ(犬も牛も)」と言うことなどを、Kさんから教えてもらったことを覚えています。
気づいたときは夜中の12時ごろ。もはや最寄駅までの終電がない時間でしたが、幸い電車が遅れていたので、なんとかタクシーを使わずに帰ることができました。
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