三女の留学

　１０日の土曜日、三女がフィリピンに旅立ちました。

　かねてより計画していた、三か月の英語語学研修です。もともと、４年間働いた貯金で１０月から行く予定だったのですが、妻がこんなことになったために１か月延期してもらいました。

　この１か月半、三女は介護に大活躍しました。

　炊事、洗濯、掃除、犬の散歩…。妻がしていたすべての家事をこなしたうえに、毎日病院に母親を見舞いました。５０日間で病院に行かなかったのは３日間だけです。

　途中で千羽鶴を折ることを思いつき、３人姉妹で折り始めましたが、折りあがった時点で姉たちは嫁ぎ先に帰っていきました。千羽鶴というのは折るだけで完成ではありません。千羽の鶴の色の組み合わせを考えながら糸に通し、吊るせるように組み上げないといけないのです。

　三女は、出発の二日前、病院に行かずに８時間がかりでこの作業をなしとげ、出発の前日に病院にとどけました。妻の喜びはひとしおでした。

　三女がいなくなると、家に残るのは僕一人。一週間に３日ほどは大阪に行って家を空けます。そこで問題になるのは犬の世話。これを解決してくれたのは次女でした。次女は三女が出発する日、家に来て、犬の世話のための一式を車に積んで、犬を引き取ってくれました。

　一方、岩手にいる長女は、来年２月の出産を控え、産休とともに、これまでたまっていた有休を使って、１２月半ばから出産直前まで、帰ってきてくれることになりました。

　しばらくは、これまでのように毎日家族のだれかが病院に行くというわけにはいかなくなりますが、私は平日の夜１日と、週末、計週３回は面会に行こうと思います。