写真:NHKより
今年の夏の甲子園、京都国際高校が優勝しました。
リモートワークで自宅にいましたが、ちょうど昼食のときに、テレビで優勝の瞬間を見ることができました。10回表、タイブレークで京都国際が2点を挙げ、その裏、関東一校を1点に抑えてゲームセット。
劇的な勝利でした。
そして流れた校歌は、歌詞が韓国語。
京都国際高校は、もともと民族学校だったのですね。
コリアンの民族学校は、朝鮮高校の数が多いのですが、京都国際は韓国系の民族学校。
翌日、韓国の新聞は、この快挙を大きく報じました。
韓日合作「奇跡のドラマ」 京都国際高校、夏の甲子園初優勝(朝鮮日報)
この記事によれば、
京都国際高校は、1947年に在日同胞たちが資金を集めて建てた民族学校「京都朝鮮中学」がルーツ。しかし、1990年代ごろ、財政難に見舞われて生徒数が急減したため、韓国外交部、在日本大韓民国民団(民団)などと相談し、日本の学校に転換。2003年に日本政府の認可を受け、翌年日本人に門戸を開いた。学校名も京都国際中学校・高等学校に変更した。現在は在校生159人のうち70%が日本人。野球部は、1999年に創部。同校の日本人男子生徒は大多数が野球部に入るために入学し、今回、甲子園に出場した野球部員たちもほぼ全員日本人とのこと。
生徒数も少なく、野球部の歴史も浅いのに、甲子園優勝というのはすごい。
決勝戦、甲子園球場の三塁側スタンドには約2800人の京都国際高校応援団がいたそうです。そのうち、京都国際高校の在校生は約100人。残りは京都地域の他校の生徒。応援歌を演奏していた吹奏楽団約80人は、京都国際高校近くの京都産業大学付属高校の生徒たちだったそうです。
総連(北朝鮮)系の朝鮮学校が、必ずしも地域社会に受け入れられていないのに、韓国系の京都国際は、完全に地域に溶け込んでいることがわかります。
京都国際高校の校歌の歌詞は、
동해 바다 건너서 야마도 땅은
거룩한 우리 조상 옛적 꿈자리
아침저녁 몸과 덕 닦는
무리의 정다운 보금자리
한국의 학원
朝鮮日報日本語版の訳(直訳)は、
東海の海を渡りし 大和の地は
偉大な我らが祖先 古の夢の場所
朝な夕なに 体と徳を磨く
我らの仲むつまじい巣
韓国の学園
NHKの字幕(学校側から提供された訳)は、
東の海を渡りし 大和の地は
偉大な祖先 古の夢の場所
朝な夕なに 体と徳を磨く
われらのふるさと
韓日の学び舎
二つを比べると、微妙に違う。
東海(トンヘ、韓国語で日本海のこと)が学校訳では「東の海」になっている。
また、最後の「韓国の学園」が、学校訳では「日韓の学び舎」になっている。
「韓国」を「日韓」としたのは誤訳ですが、現在の学校の生徒が日本人のほうが多いという実情から、学校側があえて歌詞と異なる訳にしたのでしょう。校歌が作られたころは全員が在日韓国人だったのが、その後、日本の学校になり、日本人のほうが多くなり、実態と合わなくなった。ほんとうなら、歌詞そのものを変えたいところなのだと思います。
「東海/東の海」のほうは、事情が複雑です。
韓国では、日本海のことを東海と呼びます。
国によって地理名称が異なるのはよくあること。
しかし、韓国は、国際的な名称を日本海ではなく東海に変更することを要求しているんですね。
それが一部の日本人の感情を刺激し、ネット上などで論争になっているのです。
学校側は、東海という言葉を使うといろいろ言われるのが嫌だから、あえて「東の海」と訳したもののようです。
まあ、「東海」は、日本では別の地域名称(東海地方)なので、誤解をさけるためなのかもしれませんが。
いずれにしても、目くじらをたてるようなことではないでしょう。
ところで、韓国は、スポーツの日本チーム応援で、旭日旗を使うことを禁止しろ、などという主張もしています。韓国で旭日旗は、日本軍国主義の象徴とされているからです。
でも、旭日旗は大漁旗などにも使われていて、軍国主義とは関係ないんですけどね。
「進歩系」とされる朝日新聞も、社旗に旭日旗を使っています。
夏の甲子園大会は、朝日新聞社の主催で、バックスクリーンの上には、日の丸、大会旗とならんで、朝日新聞の社旗である旭日旗が掲揚されています(冒頭写真、小さくて見にくいですが)。
朝日は、論調が韓国寄り(慰安婦問題がそうでした)なので、不問に付すということでしょうか?
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