犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

ネットでの出会い

2007-07-18 07:06:05 | 思い出
 ブログを始める前,私のネット生活の舞台は掲示板でした。そこでたくさんの出会いがありました。しかし,大部分は仮想空間におけるおつきあいだけで,現実世界でお会いした人は数えるほどしかありません。

 日本で会ったあと,何回か韓国に遊びに来たときに,ディープコリアをご紹介した,日本のキャリアウーマン。ブログを始めたことは知らせなかったのですが,めざとく捜し当ててくださり,コメントをいただきました。

 日本人の祖母をもつ韓国青年と犬鍋屋で会ったこともあります。掲示板上の論敵の韓国系豪州人や,歴史問題で執拗に議論を吹っ掛けてくる韓国人論客と会ったことも。ネットでは日本をめちゃくちゃに罵倒しているのに,実際に会ってみれば,まったくの常識人だったり…。

 和気藹々系の掲示板で知り合い,私と同じようにソシュールに関心をもっているということで意気投合した李さん(犬鍋ブログにも複数回登場。先日の送別会で,バレンタイン17年をおごってもらいました)は,日本と中国に留学した経験があり,日本語・中国語が堪能。

 ちょうど家族が帰国したときにお会いし,日本に持ち帰らなかったさまざまなガラクタを引き取っていただくために,美人の奥さんと二人のやんちゃな子どもを家に招いたことがあります。その少し前に,怪力の娘さんが,大型テレビを床に引き倒して壊してしまったとのこと。私の9年物の厚型テレビをありがたがっていました。

 そのほかにも,私が大学に入学したときに買って,その後4人の娘が弾きまくり,ぼろぼろになったピアノとか。ピアノの輸送は個人負担であるうえ,輸送中にいろんなところが狂うから,復元するためには調律に相当なお金がかかる,もともとたいして高級なものではない,などの理由で,韓国で捨てていくことにしたものです。

 もう一つ,お荷物になっていたのがカメ。動物好きの長女の10歳の誕生日に買ってやったものですが,生き物を日本に持ち帰るのは,いろいろ複雑な手続きがあって面倒くさい。

「お父さん,責任もって飼ってよ。死なせたりしたら承知しないよ」

などと言って,長女は帰って行きました。甲羅の差し渡し25センチの堂々たる体躯。ノリャンジン水産市場で買った生き餌のドジョウを,バリバリと食いちぎります。食欲も旺盛なら,臭いも相当なものです。

 李さんがピアノも欲しいというので,カメと抱き合わせならという条件を出したところ,息子のほうが動物好きだからと言って,喜んで引き取ってくれました。
 帰任決定を伝えたところ,

「週末に時間とれませんか。ぜひ,家にいらしていただいて,娘のピアノの腕前を見てほしいなあ。おかげさまですごくうまくなったんですよ。」

(もっといいピアノで練習していたら,もっとうまくなっていただろうに…)

「一晩飲み明かして,次の日は江華島に行きましょう。リオちゃん(カメの名前)に恋人ができたんですよ」

 実は,息子さん,はじめのうちこそ面白がって世話を焼いていたものの,しだいに飽きてしまって,水の取り替えも怠る,家には悪臭が漂う。結局,奥さんの田舎の江華島に連れて言って,庭の池に放したとのこと。そこで逞しく生き続け,最近は恋人らしき別のカメと仲むつまじく過ごしているらしい。

 結局,この送別ツアーは実現しませんでしたが,最後に飲もうということで,東大門の羊串焼き+朝鮮族式犬鍋で二人だけの送別会をしました。ネットで知り合った方の中で,いちばん親しくしていただいた韓国人です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バンコク便り~人生いろいろ | トップ | イモ(叔母) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

思い出」カテゴリの最新記事