日本語と韓国語は多くの漢字語を共有している(その多くは日本製のいわゆる和製漢字語)ということを書いたことがあります(→リンク①,②)。
でも,定着しなかったものもある。
こんな記事がありました(→リンク)。
「気の毒な友人がいた…彼はほとんど仇甫の親友だった」
朴泰遠(パク・テウォン)の小説『小説家仇甫氏の一日』に出て来るこの文章の意味を正しく解釈できる人物はいない。「親友」とは、単なる友人以上に、とりわけ親しかったことを表す当時の日本語だからだ。
韓国語版(→リンク)をみると,上の「友人」は韓国語の固有語で벗。現代韓国語では普通,チング(親旧)と言います。
そして,日本語の「親友」の韓国語読み친우は,辞書には載っているものの,今では使われないようです。
では,ただの友達ではなく,特別に親しい友達はなんというか。どうも,韓国語にはぴったりの言葉はないようで,「チナンチング」(親しい親旧)とでも言うしかない。
次の記事を見てみましょう(→リンク)。
こちらは『世界人と韓国人の間』という本の紹介。
国民所得2万ドル時代,高品格韓国人としての生き方を知るべきだと提案する本。放送社現職記者の著者が,米国研修経験を土台に,自身が考える一流国家国民の姿を伝える。
著者は,お金は多いが品格がない猝富国家にならず,われわれの正体性を,一段階高い水準へ押し上げようと主張する。特に韓国人に不足している他文化適応力と包容力,グローバルマインドを強調する。
まず,書名にある世界人という言葉が耳慣れない。日本語では「国際人」でしょう。国際化という意味で「世界化」という言葉もよく聞きます。
「放送社」は「放送局」。「正体性」は,日本語では「アイデンティティー」というカタカナ言葉で表しますね。
「猝富」は日本語にはない単語。成り金のことです。「成金」は韓国読みではソングム。ソングムは「誠金」(困っている人たちへの義援金)と同音異義になり,紛らわしいので定着しなかったのでしょう。
でも,定着しなかったものもある。
こんな記事がありました(→リンク)。
「気の毒な友人がいた…彼はほとんど仇甫の親友だった」
朴泰遠(パク・テウォン)の小説『小説家仇甫氏の一日』に出て来るこの文章の意味を正しく解釈できる人物はいない。「親友」とは、単なる友人以上に、とりわけ親しかったことを表す当時の日本語だからだ。
韓国語版(→リンク)をみると,上の「友人」は韓国語の固有語で벗。現代韓国語では普通,チング(親旧)と言います。
そして,日本語の「親友」の韓国語読み친우は,辞書には載っているものの,今では使われないようです。
では,ただの友達ではなく,特別に親しい友達はなんというか。どうも,韓国語にはぴったりの言葉はないようで,「チナンチング」(親しい親旧)とでも言うしかない。
次の記事を見てみましょう(→リンク)。
こちらは『世界人と韓国人の間』という本の紹介。
国民所得2万ドル時代,高品格韓国人としての生き方を知るべきだと提案する本。放送社現職記者の著者が,米国研修経験を土台に,自身が考える一流国家国民の姿を伝える。
著者は,お金は多いが品格がない猝富国家にならず,われわれの正体性を,一段階高い水準へ押し上げようと主張する。特に韓国人に不足している他文化適応力と包容力,グローバルマインドを強調する。
まず,書名にある世界人という言葉が耳慣れない。日本語では「国際人」でしょう。国際化という意味で「世界化」という言葉もよく聞きます。
「放送社」は「放送局」。「正体性」は,日本語では「アイデンティティー」というカタカナ言葉で表しますね。
「猝富」は日本語にはない単語。成り金のことです。「成金」は韓国読みではソングム。ソングムは「誠金」(困っている人たちへの義援金)と同音異義になり,紛らわしいので定着しなかったのでしょう。
広辞苑に載っているのと載っていないものもある。
日本人として、ん十年も生きて生きて、初めてお目にかかる日本語の単語がまだ結構あることを思い知る。
ところで上記の「仇甫の親友」の意味が分かりませんでしたが、「仇甫」って人名ですよね。
未婚で,未亡人の母親と暮らす小説家、仇甫氏がソウルの街を徘徊しながら感じた内面世界の彷徨と生態風俗を描写した作品。
http://100.naver.com/100.nhn?docid=744321
仇甫は主人公の名前のようですね。
ご質問ですが,和製の漢字(峠,働,畑など)は韓国では使われません。
和製の漢字語はおびただしい量が韓国語に定着しています。近代用語の大部分と言っていいと思います。
集英社『国語辞典』巻末付録森岡健二「日本語の語彙の体系と歴史」に日本人が作った漢字語リストの一部がありますが,そのうち,
① 和語に漢字をあて,音読することによってできた漢字語(かっこ内はもとの和語)
出張(ではる)
② 江戸時代の蘭学者がオランダ語に漢字をあてた学術用語
神経,知覚,網膜,遠心力,有機体,塩酸,元素(その他酸素など大部分の元素名)
③ 哲学者,西周(にし・あまね)が主として作った哲学用語
哲学,演繹/帰納,主観/客観,感性/理性,権利/義務,絶対/相対,先天/後天,抽象/具体,真理,概念,定義,命題,原理,思考,本能,官能,現実,体験,現象,意識,心理,属性,単元,能動
④ 明治時代に作られた各分野の近代用語。欧米語の訳語として,中国の古語を再生させたり,日本人自身が新たに造語したもの。
法律,民法,刑法,公法,立法,国会,内閣,批准,委任,演説,自由,代表,断定,調整,動向,独占,分析,会計,保険,保障,文明,文化,文学,美学,芸術,美術,教育,学位,博士,物理,物質,電流,液体 表象,鉛筆
などは,すべて韓国語で通用します。
※ 工夫(コンブ)は,勉強のこと。