東京オリンピックまで100日

　東京オリンピックまで、あと100日ちょっとになった４月６日、北朝鮮が「コロナウイルスから選手を守るために、東京オリンピックに参加しない」というニュースが伝えられました。

　日本の五輪関係者は、「残念」と言っていますが、北朝鮮の不参加をもっとも残念がっているのが、韓国です。

　東京オリンピックを、南北会談、米朝会談実現のために、利用することを目論んでいたからですね。

　翌日の４月７日、ソウル市とプサン市という、韓国の二大都市の市長選挙が行われました。どちらも、与党「共に民主党」の前市長がセックススキャンダルでが辞任（一人は自殺）したためのものです。

　結果は、与党の大敗。

　この選挙は、来年の大統領選の前哨戦と見られているだけに、与党と文在寅大統領にとって、大きな痛手となりました。

　そして、１週間後の４月１３日、日本政府は、福島の原子力発電所の処理水を海洋に放出するという方針を発表。これに対し、韓国は強く抗議しています。

　韓国は、もともと、原発事故を理由に、東京オリンピックの東京開催に反対してきました。それが、オリンピックを北朝鮮との宥和政策のために政治利用できる可能性が出てきて、一転して「協力」を表明しました（リンク）。

　でも、北朝鮮が不参加になったので、もはや東京オリンピックの成功のために協力する理由はなくなりました。

　原発処理水の海洋放出決定は、韓国にとって「渡りに船」かもしれません。

　内心望んでいた、東京オリンピックの「失敗」に向けて、日本非難の口実ができましたし、ソウル・プサン市長選の敗北で落ち込んだ大統領支持率を反転させるために、国民の目を内政からそらし「反日」に向けることもできます。

　このところ、やや対日融和的な姿勢を見せてきた文大統領ですが、東京で行おうと目論んでいた政治ショーは来年の北京冬季五輪に持ち越して、残りの任期は、元の通り、「反日一辺倒」で進んでいく気がします。

　日韓関係改善は、反日大統領が交代するまで、望み薄です。