こちらは、ソウル駅周辺のある焼き肉屋さんの屋外メニュー。
縦長の看板にずらりとメニューが羅列され、その下に日本語訳がついています。
ドゥンカルビ
センサムギョプサル
センモクサルソグムクイ
テンジャンパギサムギョプサル
ハンジョンサル
テジワンカルビ
アムタクスップルクイ
ハヌコッドゥンシム
ソヤンニョムカルビ
ソワンセンカルビ
コッサル
ソカルビサル
アンチャンサル
ユッケ
それぞれの日本語訳を見てみると…
ドゥンカルビ → ドゥンガルビ
これは訳ではなく、発音をカタカナ表記したものですね。
センサムギョプサル → 生さんーまいにく
「ん」のあとの音引きがエキゾチックです。「生」というのは、味付けではない、という意味。
センモクサルソグムクイ → やきーぶた
やはり音引きがおかしい。また、ソグムクイは塩焼きですから、日本の焼き豚のイメージとは違う。
テンジャンパギサムギョプサル → 味みそさんーまいにく
豚の味噌やきのことなんでしょう。
ハンジョンサル → とんーにく
意味不明。ハンジョンサルは日本ではトントロと呼ばれている脂の多い部位です。
テジワンカルビ → ポーク・チョップ
なぜか突然英語起源の外来語が出てくる。豚のあばら肉のはずですが。
アムタクスップルクイ → 鶏炭火焼
今度はオール漢字。意味はよくわかります。
ハヌコッドゥンシム → 一心
一心? なんのことでしょう。韓牛霜降り肉で、この店で最も高価で店として売りたい肉だと思うのですが、「一心」では注文する人はいないでしょう。
ソヤンニョムカルビ → 牛生のあばら
ソワンセンカルビ → 牛生チョップ
上は牛の味付けカルビ、下は牛の味付けではないカルビ。違いは味付けかそうでないかの差だけのはずですが、それが訳からは読み取れない。そもそもソヤンニョムカルビの訳語にある「生」は味付けではないことを示すはずなので、間違いです。
コッサル → ロース
ふつう、「コッ」(花)は、霜降りを意味するはずですが。
ソカルビサル → カルビ肉
これは、骨なしのカルビのこと。ふつう、骨つきは「カルビ」といい、骨なしの端肉を「カルビサル」の名で安く売るようです。
アンチャンサル → ツョート・リブ
出た。日本語にはありえない「ツョ」というカタカナ表記。「ショ」の間違いだと思われますが、ショート・リブも意味不明。アンチャンサルは横隔膜で、日本の焼き肉屋では「ハラミ」と呼ばれます。
ユッケ → 肉膾
突然、韓国語の漢字表記が来た。たんにユッケとカタカナで書いてくれたほうがわかりやすいでしょう。
なんでこんないろいろなタイプの、支離滅裂な訳が並んだのか。ちなみに、「ハヌコッドゥンシム」をグーグル機械翻訳にかけてみると、「韓牛ロース」と正しく訳されました。なぜ「一心」になったのか謎です。
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膾って“フェ”ですよね。韓国人なら、刺身って認識でしょうけれど、これで生肉を想像できる日本人はそうそういないでしょうねぇ。
この漢字を理解する日本人も少ないでしょうけれど、もしいたとしても、日本語の意味は“なます”ですから、ますます首をひねることでしょう(^ ^;
一度失敗したのに懲りて、必要以上の用心をすることのたとえ。
我が家の娘たちは、全員このことわざを知りませんでした。