一カ月ぶりの高田馬場再訪です。
一人で訪れたのは、前と同じマンミャンマー。お客さんは一人だけで、初老の上品そうなミャンマー婦人でした。
お店のおばさんが、
「豚のもつ煮込みがおいしいですよ」
と勧めてくれます。先客もそれを食べているようです。
(さっき多めに作ったから、これを注文してくれるとありがたい)
という意味だと察知して、勧められるまま頼みました。ビールはミャンマービール。
しばらくして、客のおばさんと話をするようになりました。
在日21年。1992年に軍事政権下の祖国を逃げ出し、渡日。
「最初はビザがおりなくてね。子どもを学校に入れてもらえなかったんですよ」
当時4歳の娘を連れてきていたということです。
「それで、知り合いの教会の人に相談したら、インターナショナルスクールを紹介されて、そこに入れました」
ミャンマーは仏教の国というイメージが強いかもしれませんが、宗教は民族によってさまざま。彼女はミャンマー北部、カチン州の出身でキリスト教徒だそうです。なお、店名の「マンミャンマー」のマンは、ミャンマー第二の都市、マンダレーを意味するそうです。
「でも、インターは学費が高いでしょう」
「ええ。私が洗い場で働いたお金は、全部教育費に消えました」
その後、難民ビザがおりて、不法状態が解消。
今や、娘さんは25歳。日本の大学を卒業したそうです。
「大学は一般の試験で入ったんですか」
「ええ」
「国語の試験が難しかったでしょう」
「国語は塾で覚えました。私もいっしょにやっておけばと後悔してるんですよ」
家庭ではミャンマー語、学校では英語、そして塾で国語をマスター。今は三か国語をしゃべれるそうですが、ミャンマー文字は読めないという。オーストラリア留学の経験もあり、日本企業に就職して、今は日本人と結婚。通訳などで活躍しているとのことです。
お母さんは、日本語はそこそこ流暢ですが、漢字は読めないらしい。
でも、約30年前のミャンマー(当時はビルマ)で大学を出ているというから、ミャンマーでは知識人なんでしょう。
豚もつ煮込みがなくなって、メニューを物色していると
「牛もつのスープはどうですか。麺を入れることもできますよ」
と店のおばさん。
「じゃ、それをください」
少し前に蒲田でもつ煮込みのハシゴをしたことを思い出しました。
そのとき店に入ってきたのは、前回も店でいっしょになった男性。韓国人を奥さんにしている人です。
「上の娘は小学校でサッカーやっててね。今度中一になったんだけど、クラブチームから誘いがあったんだ。」
なでしこの活躍に触発されて、男の子といっしょになってサッカーをやっていたらしい。FC東京(?)のジュニアチームから目をつけられたのだから、才能に恵まれているんでしょう。
どちらのミャンマー人も、祖国が民主化されたからといっていまさら帰るつもりはないという。すでに日本に生活基盤を築いたからでしょうが、少数民族出身ということも理由の一つかもしれません。
どんぶりに大盛りになった牛もつスープは、あっさりした塩味。そこにお好みでレモン汁や生の唐辛子を入れます。
「辛いから気をつけて」
「いや、私は平気です。韓国で鍛えましたから」
ミャンマー料理は基本的に辛くないのですが、唐辛子を追加して辛くすることもできる。唐辛子は青と赤。青のほうは韓国のチョンニョンコチュ、タイのプリッキーヌに匹敵するような激辛です。
この牛もつ煮込み麺は、これまで食べたミャンマー料理の中でいちばん気に入りました。
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