犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

ホテルバイキング

2010-09-24 23:02:16 | 食べる
「バイキング」と聞いたときの心のときめき具合で,その人の育ちがわかるそうです。私はもちろんときめきます。ときめくというか,闘争心が湧くというか…。

 バイキングでまず考えなければならないことは,

「元をとらなくてはならない」

ということですね。さもしくも正しい考え方といえるでしょう。

 効率的に元をとるためには,高いものを食べることです。いきおい,バイキングにいくと,まず高そうなものを物色することになります。

 もちろん,レストラン側は元をとらせないために頭を絞る。あまり高い食材は出さないという手もありますが,そうなると客が来ない。

 一般的にとられる方法は時間制限ですね。一時間とか90分とか。そして,これと組み合わされる戦術が,高くて人気の料理の補充をわざとゆっくりすること。待ってる間に時間切れになったりします。ただ,この方法は客からクレームがくるし,ひどいときは暴動が起こる(わけないか)。

 さて敬老の日,あるホテルのレストランのランチバイキングに行きました。テレビでもよく紹介されるそうで,予約が2カ月前にはいっぱいになるほどの人気。兄の奥さんはそうゆうのが好きで,予約をとってくれました。

 母と兄の家族,私の家族(のうち4人)で,総勢9人。

 私たちは当然のように朝食を抜き,開店の11時半きっかりに入店します。

 正攻法で,まず高そうなものをそれとなく物色します。コーナーは,洋食,和食,中華,デザートそしてドリンクに分かれている。やはり洋食のローストビーフコーナーに行列ができ始めています。

「おっ?」

 和食コーナーに紅白の物体が山積みされ,そこにも列ができています。

「カニだ!」

 この時季外れのズワイ蟹は輸入物でしょう。通常,国内産は「松葉蟹」とか「越前蟹」のように産地名をつけて売られますが,ズワイ蟹という生物名で呼ばれるものはロシアなどからの輸入物です。

(もしや,ここで取り逃がすと「補充」で待たされるかもしれない)

という不安にさいなまれ,われわれもさっそく列に並びました。どの人も,皿にのりきらないほどのズワイ蟹の太い脚をとっていきます。三か所にあった山はみるみる低くなる。

 しかし,そこはご安心。補充は迅速かつ大量でした。

 私と兄は,9人が食べるのに十分な量のズワイ蟹を4つの皿にとり,席に戻りました。蟹切り専用のハサミとほじくり棒(?)を人数分準備し,みな熱心にカニを食べます。話がぜんぜんはずまないのは当然ですね。

 ただ,食べ急ぐ必要はまったくない。たぶんこの店の人気の理由の一つでもあるのでしょう。時間制限がないのですね。11時30の開店から,3時半まで(食べものの補充は3時まで),4時間もあるのです。

 カニを平らげたあと,われわれはカニに並んで人気のローストビース,フォアグラ,ウニ入りサラダなど高そうなものを中心に食べ続けます。そして「十分に元をとった」と確信したあと,パスタとか焼きそばなどの廉価なものに移ります。そして,そのどれもが,まずまずの味です。

 私は興味ありませんでしたが,女たちはデザートにも惹かれていました。20種類ぐらいのプチケーキ&アイスクリームを大量にとってきます。

 われわれの飽食が終わったのは時間ぎりぎりの3時過ぎ。

 清算時に,一人3000円のところ,65歳以上は半額(1500円)という「敬老の日特別サービス」を知り,満足度はさらに高まったのでした。と同時に,2週間後の人間ドックを目前に控え,私のコレステロール値も相当に高まったと思われます。

 参考に,このホテルは,品川プリンスホテルです。

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