犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

利き酒

2024-07-16 00:50:48 | 飲む

写真:日本酒原価酒造池袋西口店


 前の記事で書いた先輩が、どの程度日本酒に凝っているかというと、利き酒イベントに通うほどです。

 約束の数日前に、池袋のサンシャインシティで「日本酒フェア2024」というイベントがあり、そこに参加したそうです。

 これだけでなく、各地で行われる日本酒イベントに参加したことがあるんだとか。

「利き酒って、銘柄当てをするんですか」

「いや、ただいろんな酒を飲み比べるだけだよ」

「飲み込まないで、吐き出すとか?」

「そうだよ。飲んじゃうと酔っぱらって、味がわからなくなるからね」


「でも、なんかもったいないなあ」

「別に飲んでもいいんだけどね。禁止されてるわけじゃないから」

 日本酒のメニューに目をやります。

「あれっ、珍しい酒があるなあ」


 特別に入荷した酒に、クワガタというのがありました。

「前にカブトムシは飲んだことがあるけど、クワガタは初めてだ」

 栃木の仙禽(せんきん)という酒造の酒で、UA(ユナイテッドアローズ)とのコラボで生まれたんだとか。「かぶとむし」の「くわがた」も、すっきりとした夏の酒。


「ボトルがかわいいですね」



「でも、利き酒をやってみてわかったんだけど、酒の味って覚えられないね。その時は味の違いを感じても、次の日になると思い出せない。甘口、辛口、スッキリぐらいの記憶しか残らない」

「家でも飲むんですか?」

「うん、冷蔵庫はいつも四合瓶で一杯。一升瓶は入らないからね」

 飲みだすと止まらないのですが、ここは高い店なので自制。

「そろそろ二軒目に行きませんか」

「そうしようか」


 刺身盛り合わせ、金目鯛の煮つけ、その他もろもろと、日本酒を4種類ぐらい飲んで、1人当たり9000円を越えました。

「たしか、こっちのほうに原価酒蔵があったはず」

「なんですか、それ?」

「希少なお酒を原価で飲める店なんだ。いつもは新宿本店に行くんだけど、池袋にもあったはず」

 一軒目から徒歩5分ほどのところにありました。

 値段が大衆的なので、「しっぽり」とはいきませんでしたが、さまざまな地酒を廉価で楽しむことができました。

「今度また、涼しくなったころに飲みましょう」

 終電にはまだ余裕がある時間帯にお開きになりました。

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