写真:池袋「すべからく」(お店のホームページより)
最近65歳で定年退職した会社の先輩と、池袋で飲むことに。
「どんな店がいいですか?」
「今、日本酒に凝ってるから、地酒のある店がいいかな」
「日本酒の美味しい店、知ってます。案内しますよ」
当日、待ち合わせ場所から店に向かいながら、
「今日のお店、しっぽり飲む感じ?」
「えっ? まあ…」
(しっぽりの意味が分からなかったので、あいまいな返事)
「この歳になると、わいわいがやがやの店は行きたくなくなっちゃって」
(ということは、しっぽりは、わいわいがやがやの反対かな?)
「ぼくもそうです。落着いて飲める店です」
その日は、少々高いけれど落着いた店で、しっぽり飲みました。
翌日、同居している娘(33歳)に聞きました。
「しっぽりっていう言葉、使う?」
「うん。「しっぽり飲む」とかね。今の若い人たちが使うかわからないけど、わたしは使ってたよ」
(お前も十分若いんだけど)
辞書(三省堂国語辞典第8版)を引いてみました。
しっぽり《副》①すっかりぬれて、水分をふくんでいるようす。「朝霧にしっぽりぬれる」②男女の間の情がこまやかであるようす。「しっぽり語り合う」
うーん、「しっぽり飲む」にピッタリの語釈はないなあ。
ネットで、「精選版 日本国語大辞典」(コトバンク)を調べると、
しっぽり〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
① しっとりと十分に濡れるさま、また、雨などが静かに降るさまを表わす語。しっとり。しっぽ。
[初出の実例]「ふたり共に鼻の上にしっぽりと汗をかくものか」(出典:虎寛本狂言・右近左近(室町末‐近世初))
② しめやかなさま、静かに落ち着いたさまを表わす語。しっとり。しんみり。
[初出の実例]「しっほりとなくべし」(出典:虎明本狂言・花子(室町末‐近世初))
③ 男女間の情愛のこまやかなさま、親密なさま、むつまじいさまを表わす語。しっと。しっぽ。
第二語義に、それらしい語釈がありました。初出は室町時代末期ですから、由緒正しい言葉です。
古い語彙にあった言葉が、最近、現代的な文脈でリバイバルされたものなのでしょう。
三省堂国語辞典の第9版(2030年頃?)に、「しっぽり飲む」の用例とともに、新しい語義が加わることを期待します。
② しめやかなさま、静かに落ち着いたさまを表わす語。しっとり。しんみり。
[初出の実例]「しっほりとなくべし」(出典:虎明本狂言・花子(室町末‐近世初))
③ 男女間の情愛のこまやかなさま、親密なさま、むつまじいさまを表わす語。しっと。しっぽ。
第二語義に、それらしい語釈がありました。初出は室町時代末期ですから、由緒正しい言葉です。
古い語彙にあった言葉が、最近、現代的な文脈でリバイバルされたものなのでしょう。
三省堂国語辞典の第9版(2030年頃?)に、「しっぽり飲む」の用例とともに、新しい語義が加わることを期待します。
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