犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

フェアプレーポイントか、抽選か

2018-07-01 23:08:29 | 大阪暮らし

 日本が決勝トーナメント進出を決めた翌日、サッカーに詳しいペルー出身の同僚と、前日の戦いを振り返りました。

「最後のパス回しはひどかったね」

「セネガルが点を入れたら終わりだから、西野監督は賭けに出たわけですね」

「侍ジャパンとか言って、ぜんぜん侍らしくない」

「でも、サッカーはきれいごとばかりじゃありませんから」

 日本が決勝トーナメントに進出できたのは、今大会から導入されたフェアプレーポイントによるもの。勝ち点、得失点差、総得点が同じで直接対決も引き分けだったので、反則の数の比較ということになり、反則の数がすくなかった日本が勝ち上がったわけです。

「いっそ、抽選で決めてくれたほうがすっきりするのに」

「抽選ですか。抽選も今までいろんなことがありましたからね」

 彼が教えてくれたのは、1970年代のコパアメリカ(南米選手権)の話。

 その準決勝で、ペルーはブラジルと対戦。ホーム&アウェーで1勝1敗、得失点差も同じだったので、抽選に。当時はフェアプレーポイントなんてありませんでした。

 ペルーの首都リマで行われた抽選は、箱の中から色の違うテニスボールを女の子が取り出すというやり方。その結果、女の子はペルーのボールを取り出し、ペルーは決勝に進出。

 決勝ではコロンビアとあたり、またもや1勝1敗で、さすがに決勝は抽選ではなく再試合となり、それに勝って、ペルーは2度目の優勝を遂げたのでした。


 問題は抽選。

 その後、ペルーの関係者が明かしたところによれば、実はペルーのボールだけが冷やしてあって、ペルー人の女の子には「冷たいほうを選ぶように」と言い含めてあったというのです。

「へー。で、その試合、無効にならなかったの?」

「だって、それがわかったのは30年後ですよ。もう時効だから、と言ってばらしたんですよ」

 まあ、日本チームのパス回しは、不正をしたわけじゃないし、結果的にセネガルが負け、日本が勝ち上がれたのですから、よしとしましょう。


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