犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

李在明の「小確幸」公約シリーズ

2021-11-26 23:55:53 | 韓国雑学
 韓国の次期大統領候補、李在明(イ・ジェミョン、写真左)は、自分が与党「共に民主党」の統一候補になって以降、フェイスブックで「小確幸公約」を発信しています。「小確幸」というのは韓国語で「些細だけれども確かな幸福」という意味だそうで、身近な問題を解決するための公約です。

 これまで発表された小確幸公約は、以下の13個です。

公約1(11月11日)
2022年1月に予定されている仮想資産課税を1年延ばす

 最近、韓国ではビットコインなど仮想通貨への投資が過熱しています。大損をして自殺する人も出るほど。政府は課税強化を図っていますが、投資者はむしろ金持ちではなく庶民が多い。

公約2(11月11日)
バイクの交通違反・騒音規制強化と電動オートバイの導入促進


 私が韓国にいた15年前ぐらいまで、バイクはそれほど多くありませんでした。最近は交通法規を無視し、マフラーを改造して爆音を立てる「暴走族」が増えているようです。

公約3(11月12日)
スマホの容量を使い切っても最小限の公共サービス・SNSが無料で使えるように「安心データ」制度を導入

 韓国は日本以上にスマホの普及率が高く、無料Wifiも発達していますが、動画視聴が増えて、毎月容量を使い切ってしまう人たちが多いらしい。

公約4(11月15日)
就職活動で面接の準備に費用がかからないようスーツ・レンタル、美容院、写真撮影、履歴書の書き方アドバイスなどを支援


 韓国の、特に若年層の失業率が上がって大問題になっています。就活は若者にとっては切実な問題です。

公約5(11月16日)
e-スポーツ(コンピューターゲーム)の選手(ゲーマー)を支援する


 韓国はコンピューターゲーム先進国を自認しています。国際大会などで他国に負けられないという意識があるのでしょう。

公約6(11月17日)
報勲対象者(愛国志士、国家功労者)を診察する病院を拡充する


 李在明は親日派の暴露と追及に力を入れていますが、反対に愛国者に対しては手厚く保護するということなのでしょう。

公約7(11月18日)
ペットの医療費に標準診療報酬制度を導入して飼い主の負担を下げる


 韓国では10年以上前からペットブーム(特に犬)が盛り上がっています。動物病院も繁盛し、診療費を巡って飼い主と病院のトラブルが絶えないようです。

公約8(11月19日)
児童虐待、嬰児殺害を厳罰化する

 最近、児童虐待、嬰児殺害事件が起こり、現行法の処罰が甘いという世論が盛り上がりました。

公約9(11月20日)
株式空売り規制について、個人・機関・外国人など投資家間の差別を撤廃する

 こちらも仮想通貨同様、個人投資家の票を獲得したい思惑があるのでしょう。

公約10(11月21日)
小学生の下校時間を午後3時とし、放課後7時まで教育サービスを提供する


 私教育費(塾、家庭教師など)高騰も現代韓国の問題の一つ。子どもを学校で預かって塾に通わなくても済むようにしたいということでしょう。

公約11(11月22日)
産婦人科という名称は「日帝残滓」なので女性健康医学科に改称する


 産婦人科が産夫人科と誤解され、女子学生は独身女性が通いにくいという声があるようです。「産婦人科」という言葉は日本から入った漢字語です。

公約12(11月24日)
盗撮用カメラの規制、盗撮防止インフラの整備

 校長先生が女子トイレに盗撮用カメラを仕掛けて逮捕される事件が起き、世間に衝撃を与えました。

 
公約13(11月26日)
電気自動車への補助拡大と充電インフラ拡充

 最近、ディーゼルエンジンに不可欠は尿素水が足りなくなり大問題になりました(リンク)が、来るべき電気自動車時代に遅れないようにということでしょう。

 「ささいな公約」とはいえ、実現のためには現実的は問題が山積しています。中には与党政府、大統領府との根回しもなく、思いつきで公約しているものも多いんじゃないでしょうか。

 大統領になった場合、実現不能なので取り下げになるかも(あくまでも当選した場合ですが…)。

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