仏像盗難事件の後始末

　昨年の１０月に対馬市の神社から日本の重要文化財と県指定有形文化財が盗難に遭い、韓国でその犯人が検挙されました。犯人は盗んだ仏像を福岡から旅客船で釜山に運び、税関官吏が模造品と誤認したため韓国内に持ち込まれたもののようです。（→リンク）

　ところが韓国はそれを引き渡そうとしない。

　仏像は日本から盗んだものだが、そもそもその仏像は朝鮮で作られたものであり、日本が「略奪」した可能性があるからだそうです。（→リンク）

　韓国では、日本が韓国から多数の文化財を「略奪」した、というのが定説になっていますが、証拠があるんでしょうかね。

　そもそも韓国は朝鮮時代の途中から、国教が仏教から儒教になり、仏教は弾圧されていた。多くの名刹が廃寺となり、僧侶はの身分におとされました。

　今、仁寺洞にあるタプコル公園は、３・１独立運動の発祥地として有名ですが、もともとは円覚寺というお寺。朝鮮時代の稀代の暴君燕山君は、これを廃して掌楽院という妓生養成所にしてしまいました。全国の美女を強制連行したということです（→リンク）。

　ソウルは僧侶出入り禁止になっていましたが、それを解禁したのが日帝時代。

　日帝時代に韓国にあった多くの仏像など仏教関連文化財が日本に流出したのは事実でしょう。韓国の人々が何の価値も見出していなかったものを、二束三文で売ったでしょうし、日本人が買ってくれると知って、多くの遺跡を盗掘したと思われます。

　それを今になって「日帝が略奪した」というのはおかしな話です。

　アメリカには多くの浮世絵が流出しましたが、これは日本人がアメリカ人に売ったものだから、決して「略奪された」とは言いません。

　盗難された仏像の由来を学問的に調べるのは結構ですが、まずは盗んだものを返してからにしてほしいものです。