写真:韓国非常戒厳解除を伝える韓国テレビ報道のキャプチャー
尹錫悦大統領の非常戒厳宣布とあっけない解除というニュースに接して、思い出したのは、金泳三(キム・ヨンサム)大統領による、「金融実名制」の電撃発表でした。
1987年に韓国が民主化され、民主的選挙が実施されたのに、民主化運動の闘士である金泳三と金大中が互いに譲らなかったため、軍人出身の盧泰愚(ノ・テウ)がどさくさに紛れて当選してしまうという失態を演じましたが、その次の大統領選挙では、権謀術数の限りを尽くして当選。政権発足初年度、ある日の深夜に緊急発表を行いました。
戒厳令の宣布ではなく、「金融実名制」。これは、当時横行していた他人名義、架空名義の口座を無効にするというもの。既得権層の金融資産に打撃を与え、中産階級以下の庶民から喝采を浴びて、支持率は一時80%に達しました。
ただ、その後は、経済音痴で失政が相次ぎ、1997年には国家財政を破綻させてIMF事態を招くなどし、人気は急落しました。
歴代大統領の人気
非常戒厳宣布直前、尹錫悦大統領の支持率は20%を切るところまで低迷していました。
今回のドタバタ劇で、国民の支持はまったく得られず、ある報道でが13%にまで落ち込んだそうです。
直後の「弾劾決議」は、与党議員のボイコットでなんとか不成立になりましたが、与党の議員の中にも愛想をつかした議員がいるようで、任期を全うすることは難しいでしょう。
追悼 金泳三元大統領
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