犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

朴教授、民事裁判敗訴

2016-01-14 00:31:22 | 慰安婦問題

 朴裕河教授の民事訴訟の判決が出ました。京郷新聞の記事を紹介します(→リンク)。

民事一審一部敗訴、朴裕河教授、「深刻なアイロニーの時代を生きている」

 『帝国の慰安婦』の著者、朴裕河世宗大教授は13日午後、自身のフェイスブックに「午後2時に出た民事裁判の宣告で、判事が原告側の手を上げたという報せに続き、裁判所の報道資料が着いた」として「深刻なアイロニーの時代を生きている」と語った。朴教授はさらに「もしかしたらこの裁判は非常に長引くかもしれない」と語った。

 ソウル東部地方裁判所民事14部は、イ・オクソンハルモニ(88)ら、慰安婦被害者9人が、朴教授を相手どって起こした損害賠償請求訴訟で、「被告は原告にそれぞれ一千万ウォンずつ、計九千万ウォンを賠償せよ」と原告一部勝訴の判決を下した。

 裁判所は「当該の本は、日本軍による強制動員は例外的な状況だとし、一般読者に朝鮮人慰安婦が本人の選択により経済的な対価を得て売春をした人だということを暗示した」とし、「これは原告の社会的評価を落とす具体的事実の適示であり、名誉毀損にあたる」と判示した。

 裁判所はまた、「本に書かれている「愛国」「矜持」「同志」「戦争遂行」などの表現は、慰安婦の被害者性を歪曲、否定し、逆に加害者である日本に「協力」したということにより、原告の人格権を侵害した」と述べた。

 裁判所は特に「歴史的人物が生存している場合、彼らの人格権に対する保護が学問の自由より相対的に重視される」と述べた。また「被告は大学教授として研究結果の正確さに対する責任が要求されるが、本において暗示した「自発的売春行為」などを裏付ける十分な資料を提示していない」とし、「本に書かれた表現は、学問の自由の範囲を逸脱しており違法だ」と判示した。

 この日裁判を傍聴した慰安婦被害者のカン・イルチュルハルモニ(88)は、判決直後、「裁判所の判決はよかったが、一千万ウォンをもらったからといって、日本の罪が消えるのか。再びこうしたことがないように、後の世代が立ち上がらなければならない」と語った。

 原告側の朴ソンア漢陽大教授は「学問的な記述という美名の下に強行された朴教授の著述行為が、表現の自由によって保護できない深刻な人権侵害行為だったことを確認した判決」とし、「ほかの名誉毀損事件における慰謝料よりもずっと高額の判決を下したことで、この事件の重さに対し裁判所が十分に認識した判決だ」と語った。

 これに先立ち、慰安婦被害者ハルモニ9人は、『帝国の慰安婦』が自分たちを「自発的売春婦」であるとか、「日本軍の協力者」などと罵倒したとし、2014年6月、本の出版・販売・広報などを禁止する仮処分の申請とともに、1人当り三千万ウォンずつ、計2億7千万ウォンを支払えという損害賠償請求訴訟を起こした。また、出版物による名誉毀損の容疑で朴教授をソウル東部地検に告訴した。

 裁判所は昨年2月、原告の仮処分申請を一部認めた。これに伴い、現在は問題になった34か所を伏せた「削除版」が売られている。

 検察は昨年11月、虚偽を本の中に記述して慰安婦被害者ハルモニの名誉を傷つけたとし、朴教授を不拘束起訴した。名誉毀損に関する朴教授の刑事裁判は、今月20日に始まる。


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