コトバヲツグムモノ

「口を噤む」のか「言葉を紡ぐ」のか…さてどちらの転がっていくのか、リスタートしてみましょう。

親子コミュニケーションのちょっとした心がけ 34

2008-12-05 23:35:31 | 親子コミュニケーション

先日の養成講座実習で、本来の部分とは外れたところでのことですが、カフェで一緒に実習に参加してた皆さんとお茶を飲みながらいろんな話をしていました。
ちょうどその日、学校(寮)に喫煙室を作っていたというニュースがあり、そのことから話題が広がりました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081130-00000030-jij-soci(時事通信)

ある人は「喫煙してはいけない子どもの喫煙を容認することはけしからん」と言い、ある人は「正論ではあるけれど、禁止して隠れて吸われるより、現状としてわかる場所で指導する方が現実的だ」という声があありました。
私は後者の方の考え方に賛同しましたね。
「駄目」といわれても、吸う人は隠れて吸いますしね。
そうやって目の前で吸う人が居ないことで「うちには喫煙者がいません」と現実に目をつぶって良しとするより、喫煙者と向き合って、コミュニケーションとって行く方が大事じゃないでしょうかね。

そこから、「国によっては子どもに避妊具を配布している」という話題になりました。
そのことも、上で「けしからん」という意見をお持ちの方は「理解しがたい」という考えかたを述べられました。
その話題をされた方は、ただ避妊具を配布しているのではなく、HIVの問題などに真剣に通り組みながらどうすればHIVをなくしていけるのかへの取り組みだ、ということを教えてくださいました。
「HIVが問題だからSexをするな」という方法がいいのか、「まずはHIVの対策のために避妊具を」という方法がいいのか。
後者のほうが現実的でしょうね。
ただ、「そういう指導をして、それまで興味のない子にまでSexに興味を持たせて良いのか?」という考え方もわからないでもありません。
しかし、すでに世界ではHIV患者の増加は大問題ですよね。

喫煙にしろ、HIVにしろ、「自分の子どもは大丈夫・無関係」と思いたい気持ちもわかります。
でも、いくら自分の子どものこととはいえ、100%すべてを知っているでしょうか。
そういうことは無関係と話題にしない家庭が増えるからこそ、喫煙の危険やHIVの恐ろしさを子どもが知らないままになってしまう。
そうやって、本来一番自分の子どもを護りたい家庭で教えたりしつけたりせずに、学校などにそういうしつけを丸投げしてしまっているということも問題だと思っています。

家で「タバコは身体に良くないから、せめて身体が成長する成人になるまでは吸わない」ということをちゃんと教えている家はどのくらいあるでしょうか。
理由も告げずに、「決まっているんだから駄目」と締め付けるだけならば、当然反発する気持ちが起こってきます。

「HIVが恐ろしいから、それに子どもができても育てるのは大変だから」と簡単にSexしないように教えている家庭はどのくらいあるのでしょうか。
せめて「避妊することがHIVの予防にもなる」と教えているでしょうか。
「自分の子どもにかぎって関係ない」と決め付けたり、「駄目なものは駄目」と理由なく締め付けてはいないでしょうか。

そういう指導を学校や社会に任せるのは間違いだと思っています。
本来、家庭の教育の範疇です。
同時に、それは家族での大事なコミュニケーションの時間だと思います。

そのためには、一方的に押し付けるのでもなく、逆に見て見ないフリをするのでもなく、「どう思う?」と聞いてあげることから始まるはずです。
そして、どういう考え方を持っているにしても一度は受け止める。
いきなり否定していては、その後何も話す気にならなくなるでしょうから。

おりしも、大阪府で「ケータイ校内禁止令」が話題になっています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081205-00000010-yom-soci(読売新聞)
橋下知事の発言なので余計に話題になっている感もありますが。

これも、本来わざわざ知事が指導することじゃないはずですね。
授業中、携帯を使用しない…ってことを家で教えてないんでしょうかね。
まぁ、マスコミは火種を大きくすることが好きですから、話題は学校へ持っていくことに摩り替えて「防犯のために必要だ」という親の反論を引き出して煽ってますが…
本来は「授業中に携帯でメールしたりしている」ことの問題だったと思うのですが。
知事は知事で、その話題を学力低下対策にくっつけてるので話題がややこしくなってますけどね。

こちらも話題がそれましたが、ようはこういうことでも家庭で話し合って、「何が良くて何がいけないのか」と、「今どういう現状なのか」を親子で話し合ういい機会じゃないかと思います。

ひとつ注意が必要なのは「昔はこうだったから」というのは積極的な理由にはならないってこと。
時代は変わっているし、物心ついたときからゲームも携帯も当たり前のようにある状況では、当然考え方は違いますからね。
「今はあたりまえ」というのを受け止めた上で、「でもこれは問題がある」ってことをしっかりと話できたら良いですね。

今までの話題も参考にしてみてください。

 33-「親の6大NGワード」
 32-「がんばれ」と「がんばる」と「がんばった」

  31-話を最後までちゃんと聞く
 30-21~29のまとめ
 20-11~19のまとめ
 10-1~9のまとめ