コトバヲツグムモノ

「口を噤む」のか「言葉を紡ぐ」のか…さてどちらの転がっていくのか、リスタートしてみましょう。

グレーの叫び

2008-12-09 23:15:07 | 日常雑感
日曜日に大好きなアーチストのライブを観に行きました。
ふとしたきっかけで知り合った方のバンドですが、ふだんからネットで使われるその言葉の世界が素敵で、それを詩としてメロディに載せられるとぼれぼれしてしまいます。

そんな彼らの新曲を聴いたのですが、またその詩の世界に惹かれてしまいました。
残念ながら正確な歌詞は覚えていないのですが…その詩の印象から書きたいことが出てきます。

タイトルは「白黒」
白か黒かを迫られる世界で、白にも黒にもなれない「グレー」の叫びを歌っています。

人が苦しむときに「葛藤」があります。
「こうなりたい」「こうありたい」という自分の理想。
その理想と今の自分のギャップによる「葛藤」

理想が無理ならば「あきらめて別の道を」という「切り替え」
でも、簡単に割り切れない今の自分との「葛藤」

そういうふうに葛藤に悩んでいると「がんばりなさい」とか「一歩踏み出しなさい」とか、「良かれと思って」アドバイスしてくださる方がいっぱいいます。
でも、その裏側には「そのままじゃ駄目でしょ」と判断されていることを感じてしまいます。

言われることは判りますし、自分の中にも何とかしたいという気持ちがないわけじゃありません。
でももう一方で「もう少し今のままでいさせて」という叫びもあったりします。

白黒つけられない「グレー」という状態も「ある」んです。
それを理解してくれとも言いません。
その状態を何とかしてくれとも言いません。
ただ、「グレー」もあるってことを知って欲しい。

そのことを認めてもらうことで、次の動きは自分から起こしていけると思います。
ただ、せかされると困りますが。


このことは、私自身が経験したことでもあり、カウンセリングという場で触れてきたことでもあります。

自分で「白黒」つけて、突き進んでいける人はいいんです。
また、そういう人を「グレーを理解していない」と責めているつもりもありません。
「白黒だけじゃない」ということを、頭の片隅に置いといてもらえれば、それで十分です。