喜び一転、中絶という苦渋の決断…香川の受精卵取り違え(読売新聞) - goo ニュース
香川県立中央病院で、体外受精での受精卵取り違えというあってはならない医療ミスが起きた。
不妊治療中に体外受精した20代の女性の子宮に、
担当医が間違って別の女性の受精卵を戻した可能性があり、
妊娠9週目で人工中絶をすることになった。
「いのち」ともいうべき受精卵が入った二つのシャーレ(ガラスの容器)を混同したという、
病院側の初歩的ミスが原因だった。
患者様から預かった大事な大事な受精卵・・・
おひとり、おひとりのシャーレをきちんと管理すべきが、
この病院では、シャーレの蓋だけに印をつけて、受精卵が入った本体には印がついていなかった。
もちろん、名前も記入していない。
蓋をあけると、誰のシャーレ(受精卵)かわからなくなり、
蓋を開けたシャーレが複数あると、受精卵の混同は起こりうる。
そんなずさんな管理と、
ルーズな作業体制に問題がある。
院内には事故防止のマニュアルもなかった。
最悪の病院。
昨夜、このニュースを聞いた時から、
怒りがおさまらない。
もっと、腹立たしかったのは、
あの記者会見。
マスコミの質問に対して、仕方なく、という態度で
ボードにシャーレの図を書きながら説明を始めた産婦人科主任部長。
会見中、院長と産婦人科主任部長は薄ら笑いさえ浮かべた。
それらの態度は被害を受けた女性の気持ちを踏みにじるものであり、
誠意もなにも感じられなかった。
謝罪会見になっていない。
また、驚くことに、
人工中絶手術で取り出した子宮の内容物のDNA鑑定など、
とり違えの最終確認もしていない。
この確認は絶対に必要だったのでは・・と思う。
被害者は、間違われた20代女性と、この受精卵の40代女性の二人になる。
とり間違っていなかったら、40代女性のお腹の中で育ったかもわからない大切な「命」。
担当医は61歳で、約1000例を手掛けるベテランだったというが、
「慣れ」からくる緊張感の無さが悲劇を起こしたと思えてならない。
蔵本ウイメンズクリニック(福岡市博多区)が07年~08年に実施した全国調査によると、
回答した不妊治療施設114ヵ所のうち、
患者の取り違えなどを「身近に感じたことがある」と回答した施設は49%で約半数、
取り違え防止や事故発生時のマニュアルが完全な施設は76%。
恐ろしい結果である。
現代では、10組に1組の夫婦が不妊に悩み、
治療を受けて、
国内出生数の56人に1人は体外受精で出生している。
不妊治療は女性の排卵期に合わせて自然妊娠を目指す「タイミング指導」からはじまり、
これでは妊娠できない場合、子宮に男性の精液を直接注入する「人口受精」、
さらに、卵巣から体外に取り出して培養液の中で精子と受精させ、
その受精卵を子宮に戻す「体外受精」へと進む。
精神的にも、肉体的にも辛い不妊治療。
経済的負担も大きい。
でも、赤ちゃんが欲しいから頑張れる。
その希望ある不妊治療を、
どこの病院だったら安心してお任せできるのか、
病院と患者の信頼関係が損なわれことはとても残念です。
<報道陣の質問に対して、担当医(川田清弥医師)の話>↓
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/20090220dde041040040000c.html?C=S