★☆ 愛しき時間(とき) ☆★

2007年に乳がんと肺がんを克復しました。
現在 ACTH単独欠損症(特定疾患)、糖尿病の闘病中です☆

がん治療、最後まで続けますか?

2009年02月24日 | 乳がん

数日前、「がん治療」についての記事を読み、ずっと気になっていることがあります。
それは、東大病院の放射線科の研究チームが、
がん患者や医師などを対象に「がん治療」について意識調査を実施し、
その結果を発表したものでした。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/200902/509447.html


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【意識調査の対象】
◆東大病院放射線科受診歴のある癌患者・・・310人
  (患者の75%は治療済みで、治療中の人は20%)
◆無作為抽出した一般の東京都民・・・353人
◆同病院で癌治療に携わる医師・・・109人
◆同病院看護師・・・366人

【調査期間】
2008年1月~12月



≪「望ましい死」をむかえるのに必要なこと≫

【最後まで病気と闘うことを望むか?】
<「望む」と回答した人>
◇癌患者・・・81%
◇一般人・・・66%
◇医師・・・19%
◇看護師・・・30%

【(死ぬまで)身の回りのことが自分でできることを望むか?】
<「望む」と回答した人>
◇癌患者・・・93%

【(死ぬまで)意識がはっきりしていることを望むか?】
<「望む」と回答した人>
◇癌患者・・・98%

患者の多くは、最期まで、健康な時と同様の生活を理想としています。
それに比べ、医療関係者のこれらの期待は、30~40ポイント低いです。

【よくないことは知らないでいたい?】
◇癌患者、一般人・・・約40%
◇医療関係者・・・約20%

【知らないうちに死が訪れることを望む?】
◇癌患者、一般人・・・約40%
◇医療関係者・・・約20%


医療関係者が「必要」と答えた割合が多かった項目は、
【残された時間を知っておくこと】
【先々何が起こるかをあらかじめ知っておくこと】
【会いたい人に会っておくこと】
<「必要」と回答した人>
医療関係者・・・約80%
癌患者、一般人・・・約60~70%


≪「死後の世界」について≫

【死後の世界はあると思うか?】
<「ある」と回答した人>
◇癌患者・・・27.9%
◇一般人・・・34.6%

【生まれ変わりがあると思うか?】
<「ある」と回答した人>
◇癌患者・・・20.9%
◇一般人・・・29.7%

癌患者は、一般人より「死後の世界」や「生まれ変わり」を信じない傾向が強いことがわかります。


以上、抜粋して記しました。


これらの発表を読んで、私は複雑な気持ちでした。

やはり、一番ショックだったのは、

癌患者の8割が最後まで病気と闘いたいと思っていることに対して、
医師の2割しかそれを考えていないこと。

そのギャップの大きさに驚きます。

ここで回答されている310人の癌患者の、
75%の患者さんは「治療済み」とありますが、どこの部位の癌で、どの程度回復しているのか、
今、治療中の20%の患者さんは、どこの癌で、進行度はどのくらいなのか?
それによって、患者本人の意識(回答)も変わってくると思います。
でも、8割の方は前向きに癌を受け止めておられ立派だと思いました。

それに比べ、医師の回答はあまりにも「合理的」。

多くの癌患者を診てこられ、
医師しかわからない癌治療の実態を知った上で、
それを根拠に回答されているのでしょうか。

癌患者に接する時、
それらもすべて患者(せめて家族に)に知らせ、
一緒に癌治療に取り組んでいただければ幸せです。
治療を続けていくうちに、
癌が進行して、たとえ、治る見込みがない状況になっても、
常に医師と患者、家族が相談しながら(治療)方針を決めていく。
余命数ヵ月ということになった時でも、
これ以上、治療を続けても無駄という時になっても、
最後まで、患者と家族を見捨てないで相談にのってください。
そうしないと、「がん難民」になってしまいます。

患者が「最後まで病気と闘う」というのは、
治る見込みがあると希望をもっているからです。
お医者様を信頼して、
いつか元気になる日が来ることを信じて闘病を続けています。
それが、8割の患者の素直な回答だと思います。

お医者様は、癌患者に対して、すべてを明らかにして、
治療方針を決めてほしいと思います。
「希望」をもたせるだけが、良い診療ではないように思います。

「事実を知りたい」
怖いけれど、患者もそれを望んでいます。
(個人差はあると思いますが)


私自身、乳癌と肺癌の闘病を10年余り続けてきました。
ここまで「治療」を頑張れたのは、「治る」「治りたい」と希望をもっていたからであって、
治る見込みもなく、残された時間がどんどん少なくなるとすれば、
おそらく、入院生活をやめて、自宅に戻り、
残った時間を自分の好きなことに費やしたでしょう。

「死」の準備をすることは、とても、とても、悲しいことですが、
それが現実だとすれば、受け止めるしかないのです。
癌患者はいつもせっぱ詰まった気持ちで生きています。

ですから、この癌治療の意識調査にも少し矛盾を感じています。

書きたいことがまとまらなくて、
話題が逸れて、支離滅裂になってしまいました・・・
(ごめんなさい)


今月10日、食道がんで亡くなった友人の言葉(メール)を思い出します。

「医者はなにも知らない」

彼が亡くなる直前に何度も訴えたその言葉は何を意味しているのでしょう。








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