茶屋にかわいい娘
をおくのは、昔からとり入れられている
客よせの じょうとう・しゅだん(常套手段)
とくに
江戸時代は、
茶屋の「看板娘」たちが
浮世絵に 描かれて、
アイドルあつかい・されてたそうです。
その代表格が、かさもり・おせん(笠森お仙)
です。
クリンたちが 先日おとずれた・谷中の、
「笠森稲荷」門前
の
茶屋につとめる おせんちゃんは、
すずきはるのぶ(鈴木春信)たちに ブロマイドに描かれて 江戸中の人気をさらった、
ひょうばん(評判)の
美少女でした
昭和のたんび(耽美)小説家、ながいかふう(永井荷風)
は、
見たこともない
おせんをひいきし
おせんを主人公にした
小説を書いたほど
そのストーリーは?といえば、
あれよ・あれよという間に
江戸三美人に
仕立てられていく自分に 気おくれしながら、
昔なじみの彼氏との
恋をえらぶ
おせんの、若く・いちずな娘ごころ
を、
お芝居みたいな ハッピーエンドに
まとめたもので、
かふう(荷風)先生にしては
おどろくほど
さらりとした、
平凡な作品だそうです
「
お妾さんの話と、お妾さんの話にはさまれた、
やけに清楚なおせん物語だね。
あの ただれた筆をもってして、
艶冶な恋バナにできなかったのは、
荷風がおせんに
憧れていたからかね~?
・・・・・
私は、
お妾さんに間男されて嫉妬する男の話のほうが
断然好きだわ」
と、うちのチットが 言ってました。