クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

永井荷風と笠森おせん~「恋衣花笠森」感想

2015-11-26 | 本と雑誌

 茶屋にかわいい娘をおくのは、昔からとり入れられている

客よせの じょうとう・しゅだん(常套手段)

とくに

江戸時代は、

茶屋の「看板娘」たちが

浮世絵に 描かれて、

アイドルあつかい・されてたそうです。

 その代表格が、かさもり・おせん(笠森お仙)です。


 クリンたちが 先日おとずれた・谷中の、

「笠森稲荷」門前

茶屋につとめる おせんちゃんは、

 すずきはるのぶ(鈴木春信)たちに ブロマイドに描かれて 江戸中の人気をさらった、

ひょうばん(評判)の

美少女でした

 昭和のたんび(耽美)小説家、ながいかふう(永井荷風)は、

見たこともない

おせんをひいきし

おせんを主人公にした

小説を書いたほど


 そのストーリーは?といえば、

あれよ・あれよという間に

江戸三美人に

仕立てられていく自分に 気おくれしながら、

昔なじみの彼氏との 

恋をえらぶ

おせんの、若く・いちずな娘ごころ

を、

お芝居みたいな ハッピーエンドに

まとめたもので、

かふう(荷風)先生にしては

おどろくほど

さらりとした、

平凡な作品だそうです

 「お妾さんの話と、お妾さんの話にはさまれた、

やけに清楚なおせん物語だね。

あの ただれた筆をもってして、

艶冶な恋バナにできなかったのは、

荷風がおせんに

憧れていたからかね~?

・・・・・

私は、

お妾さんに間男されて嫉妬する男の話のほうが

断然好きだわ

 と、うちのチットが 言ってました。








 


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