予約も何もしてないのに、ミニサントラが付いてた!
予約も何もしてないのに、ミニサントラが付いてた!
夏休みから続けてきたレトロゲーム祭り。
今週末にはイース9も出るので、ここでいったん終了。
最後を飾るのはGBAのFF2。
色々と調べていくうちに衝撃すぎて、ちょっと書き方を変えます。
GBA ファイナルファンタジー2
ジャンル RPG
難易度 ★★~★★★★★(★5が最高)
クリア時間 20時間(半分は育成)
メーカー スクウェア
■はじめに
今でこそ日本のRPGといえば、ドラクエとFFなんてイメージがありますが、この2が発売された頃はドラクエと比較するとFFはさほどメジャーではなかったような気がします。
ドラクエ発売!となると、なんだかみんな浮足立つ感じがあったけど、FFはそうでもなかった。
周りにFFを熱心にプレイしている人がいなかったのも大きい。
インターネットのない時代だったので、情報源はリアルなコミュニティに限られしまう。
ドラクエほど取っ付きやすくものないけど、ウィザードリィほどマニアックな印象もない。
個人的にはそんなイメージでした。
中2の美術の時間に絵を描く授業があり、天野喜孝さんが描く幻想的なデザインをモチーフにしようとパッケージ絵の切り抜きを持っていたところ、クラスメイトにFF好きな人がいて、なんだかんだ話しているうちにFF2を借りる事になったのが出会い。
借りる際にシステムの難解さについて説明されたけど、実際にかなりドラクエとシステムそのものに違いがあり、戸惑った。
■特徴(主にドラクエとの違い)
・レベル制なし。
ドラクエのように経験値を獲得して、それに応じてレベルが上がり、基本ステータスが勝手に上昇してゆくというシステムではない。
FF2は戦闘中にキャラが行った行動でステータスが上がってゆく。
攻撃をすれば攻撃のステータスや武器の熟練度が上がる。魔法も同様。
HPを上げる為には敵から攻撃を喰らいHPを減らす。MPを上げるには戦闘中に魔法を使ってMPを減らす。
・右手、左手の装備
ドラクエの剣、盾、鎧、兜、装飾品、という装備を選べば勝手に部位に着脱するシステムに対して、FFはみぎて、ひだりて、あたま、からだ、うでという部位ごとに装備を選んでいく。手に鎧を持ったりという明らかなミスチョイスはできない。
利き手も存在する。
利き手に剣、利き手じゃない方に盾というチョイスが普通であるが、両手に剣を装備する事も可能。とうぜんそのぶん与えるダメージは増す。
・1度の攻撃で複数回ダメージ
1度の攻撃で複数回の命中判定が行われ、その攻撃回数は武器の熟練度による。
・魔法や装備は自由に選べる。
ドラクエは装備できるもの、できないもの、魔法を覚える人、覚えない人、とキャラの才能で特性が決まる部分が多いが、FF2は全部が自由。
魔法は本を買って使えば誰でも覚えられる。キャラの成長は戦闘中の行動によるので、いかにも屈強さなキャラを魔法専門キャラに育てる事も可能。
装備も全て装備できる。女性キャラが両手に斧を装備したって良い。
・魔法
魔法も前述の熟練度システム同様に、使えば使うほど強くなる。
99回使うとレベルが1つ上がり、16が最高。
ドラクエのように魔法ごとに対象範囲が異なるシステムではなく、最初から単体にも掛けられるし、全体にも使える。
ただし、全体にした場合の威力は単体に掛けた威力を対象の数で割った威力となる。
これは相当に画期的なシステムだと思うのだが、いかんせん弱い。
ファンタジーを全面に押し出しているゲームとは思えないくらい魔法が弱い。
アルテマの弱さよ。
あんなクソ魔法の為に命を投げ出したミンウが不憫で仕方ない。
攻撃魔法はほとんど出番なし。
・ストーリー進行によるパーティー変化
原則4人パーティーであるが、4人目は物語の過程で加入・離脱するゲストキャラ枠。
スタートから固定の3人にもキャラがあり、ストーリー性を高めている。
・前衛・後衛
戦闘がドラクエの1人称視点と違い、横から全体を見る俯瞰視点となっている。
その為、前後の概念があり、パーティメンバーを前列、後列に配置可能。
後列に配置されている者には通常攻撃が届かなくなる為、敵の通常攻撃を喰らわなくて済むが、こちらも遠距離攻撃か魔法でしか敵にダメージを与えられない。前列のメンバーが全滅すると自動的に前列に配置される。
稀にバックアタックという特殊エンカウントが発生し、前列、後列が入れ替わった状態で交戦しないとならない。
・キーワード
会話中に出てくる重要な単語を覚える事ができ、覚えた単語を選んで会話をすることができる。
ストーリーの区切り区切りで新たな単語が登場し、それについて尋ねる事で新たな目的が生まれるというストーリー展開。
■多くのプレイヤーを挫折させたシステム
上記のシステム面だけ見れば、こちらの頑張りで好きなようにキャラを育成させることができるという奥深いシステムのように感じられ、とても魅力的に映る。
全てにおいてドラクエ流コマンドRPGに対するアンチテーゼとなっており、相当画期的なシステム。
だが、それが落とし穴。
当時のファミコンFF2に限るが、攻撃を1回選べば熟練度が1上がる仕組みで、攻撃→キャンセル→攻撃→キャンセルを繰り返せば1回の戦闘で熟練度を99上げる事が可能。
あの当時FF2をプレイした人のほとんどがこの技を使って序盤から熟練度16-99にしただろう。
熟練度がMAXに近ければ、中盤らへんまでは割とサクサクと進んでいく。
このまま一気にクリアできるかと思いきや、中盤くらいから段々とザコが強くなり、終盤に至る頃にはザコに歯が立たなくなる。
何が悪いのか?こちらは熟練度最高、HPも上げまくっているし、装備もほぼ最強なんだぜ?
ここでHPも武器の強さも一切無意味だという事にプレイヤーが気づく。
モルボルグレートという悪魔を前にして。
こいつの「くさい息」にかかると、全ステ異常が発生し、最終的に小人やカエルになって、攻撃すらできない。確か魔法も封じられるので、アイテムで異常解除するしかなかったような。
そうしてステ異常解除に明け暮れてるうちに、全滅。逃げることはできるが、成功率は低い。
こいつとエンカウントする=全滅を意味する。
クリアできるか、こんなもん!と心が折れ、そっとファミコンの電源を切る。
ラスボスにすら辿りつけずに断念することになるとは、中盤くらいの頃は想像もしていなかった。
だいたいのプレイヤーはこの結末になったのではないだろうか。
未だにモルボルグレートとエンカウントすると当時の記憶がよみがえり、緊張してしまうほどのトラウマを植え付けられた。
■衝撃の正解
今回再プレイするにあたり、同じやり方をしてもまた同じような結果になる事は明らか。
あのモルボルグレートの攻略法を見いだせない限り、クリアはない。
このご時世、ネットで調べれば何か攻略法があるだろうと調べてみると、実際にその攻略法が載っていた。
・兎にも角にもこのゲームで重要視されるのは、素早さと回避率。
・こちらも相手も複数回の攻撃が可能なので、回避率が低いとそのすべての攻撃をまともに喰らう。
どれだけ装備を固めても、HPを上げまくっても終盤のザコ、特にあのモルボルグレートがいる限り、ジリ貧の展開が待ち受けるだけ。
・素早さを上げる為には装備の軽い状態で戦闘を行う。重い装備など一切不要。
・回避を上げる為には盾を装備した状態で戦闘を行う(敵から狙われた回数が影響)。両手を盾持ちにすればなお効果的とのこと。
・序盤で熟練度や体力を上げ過ぎてしまうと、序盤~中盤で敵が逃げやすく、上記の重要なステが上がらないまま終盤に突入してしまう。
というわけで、当時プレイしてやり方と完全に真逆な事が記されていた。
マジかよ。
ドラクエとは正に対極にあると言っていいゲーム性。
RPGはドラクエに始まり、ドラクエに終わるという、そんな全身ドラクエまみれで育ってきた少年たちにクリアできるわけがない。
回避や素早さなんて気にしない、とにかく素材の耐久度を硬く重くする。
ドラクエでは身に着ける素材を軽くする事によるメリットがほぼない。
要は敵がどんなに高火力で高回数の攻撃をして来ようと、当たらなければどうという事はない、というシャア理論。
素早さや回避をきちんと成長させた場合は難易度★★
その正反対の道を行ってしまったなら、難易度★★★★★(というかクリア不可能と思える)
故に難易度★★~★★★★★という曖昧な評価になりました。
■実践
実際に前述したとおりの回避、素早さを最優先にステ上げした結果・・・
大正解。フリオとガイは回避率を15-99まで上げたけど、弓や特殊な物理攻撃は完全に喰らわない。
回避上げたい人の両手に盾を装備させて前衛にして、後のメンバーは後衛にし、ひたすら戦闘。
GBA版は盾では敵に一切ダメージが与えられないので、Aボタン押している限り延々戦闘が続く。
Aボタン押しっぱなしで、テレビに切り替えて何か見ながら10分くらいAボタン押しっぱなしで良い。
前衛の人は回避が上がり、後衛のメンバーは武器の熟練度が上がるという、1粒で2度おいしい効果。
GBA版は最序盤の敵から1段階強くなった程度でもう敵が逃げる事がなくなるので、序盤から上げまくっても安心。
GBA版は戦闘していると勝手にHPが上がっていくので、ガリガリ回避上げてく場合はあまりHPは気にしないで良い。
FF2では魔法が全くのクソ効果なので、HP低くても攻撃さえ当たらなければ脅威にはならない。
ただ、MPを効率的に上げたいなら、強めのMP干渉魔法アンチを持つミンウがいる序盤で上げておく必要がある。
こんなステータス。装備やHPは最終的には違うけど。
マリアも重要な物理攻撃要員として前衛にして槍使いにした。
回避率は10-99とやや低いかな?と思ったが、通常攻撃は喰らわなかった。
残る悩みは4人目の流動的なメンバーの育成。
ちょっとストーリーが進むと変わってしまうので、あまり熱心に育成しても意味がない。
最後に登場して、そのまま固定となるメンバーのレオンハルト。
これが実に中途半端な強さ。
剣と斧の熟練度は高いが、回避率が低いので、前衛には置いておけない。
後衛で弓使いにするかと思えば、弓の熟練度は低い。
回避は高いものの、前衛3人では火力不足な面も多少感じてきたので、できれば前衛が良い。
というわけで、こんな最終盤でまた回避UP作戦を実行し、9-99まで回避を上げた。
9-99だと最後の方、けっこう攻撃を喰らって即死なんて場面があったので、前衛にするなら10-99はないとダメかも。
特に4番目は狙われやすい。
■30年越しのクリア
というわけで、モルボルグレートの脅威も去り、無事にラスボスに辿り着く事に成功した。
皇帝ってこんな顔だったのか。人間やめたアフターだけど。
ここで会ったが30年目!!
いや、30年前は会うことすら叶わなかったけど。
わりと瞬殺で撃破。
いや、ブラッドソード以外に攻撃はあまり効いてなかったので、ブラッドソードなかったらけっこう苦戦したかもしれない。
長かった戦いよさらば。
GBAにしたのは日和ったわけではなく、購入したファミコンソフトの状態が悪かったのか、いくら綺麗にしてもきちんと取り込めなかったため。
また探すのも面倒なので、I用に買ってたGBA版にしました。
ずっと心のどこかにFF2をクリアできなかった心の残りのようなものがあり、今回クリアできてスッキリしました。
まぁチートといえばチートだけども。
今回クリアして素直にこのゲームはすごいと感心した。
ここまで解析した方たちの尽力は当然として、あの当時にこのような奥深いシステムを考え付いた事に感動した。
惜しむらくは、伝達の拙さだろうか。
これだけの独自システムを確立しておきながら、その育成ヒントだけでも、当時もう少しプレイヤーに伝えてくれたならば。
パンデモニウムで釈然としないまま、そっとコントローラーをおいた(或いは投げつけたか)プレイヤーを減らせたのではないだろうか。
いいですよ、このシステム。なにもかも自由。
たぶんどこのメーカーも一度はこのシステムを考えたような気がする。
ただ、自由であるが故に強くしようと思えば今回のようにバランス無視でいくらでも強くできてしまい、開発者の意図しないゲーム展開となってしまう。
そこらへんのジレンマを経て現在のRPGに辿り着いている事を思えば、やはりある程度は自由を捨て、ゲーム側で成長バランスを制御するという結論に辿り着いたのだろうかと30年にわたるRPGの歴史に思いを馳せるであった。
■最後に
なんだかあまり賢くない王女の手足となって、いいようにコキ使われただけだったな、と思ってしまうのは腐った大人になってしまったからだろうか。
あまりに死に過ぎた。
国を救うために死んでいった人たちへもう少し哀悼の意を示してもいいのでは、と思ってしまうが、まぁファミコンだし。
音楽がいいですねぇ。町のBGM最高。
FF7のサントラ以来でⅡのサントラ買おうかしら。あるのか。
今回いろいろとレトロゲームに触れて、一番思ったのは音楽が良いということ。
シンプルでキャッチーなメロディが多く、とても耳に残る。
最近のBGMはFF7に軌跡とイース8くらいしか思い出せないけど、この頃のは今でも口ずさめてしまう。
ゲームとして必要最低限なものは全てもうこの頃に完成されていたのかもしれません。