長男と妻、そして私で、妻の実家へ。
義母が、障子紙を貼り替えたいと言う。
障子紙はストックがあるから、それを。
道具をあちこちから探し出すのに手間を取る。
前もって言ってもらっておけば準備して行ったんだが。
この糊えらい濃ゆくない?
と確認すると、義母が鍋に小麦粉糊(水溶き小麦粉を火に掛けて)を作ったんだと。
今までずっとこれでやってきたんだそうな。
確かに、これの方が張替時に紙を剥がしやすい。
むかし、糊が見つからなくて、飯粒で糊付けしていたことがあったのを思い出した。
作業を始めると、
「あ~、こいで母ちゃんはのど自慢のみらるっ」と義母はテレビの前に座り込む。
「おいおい、言いだしっぺは母ちゃんやろ~」と妻。
ハハハ
こういう作業の場合、性格が出やすい。
たいがいぶりなのがO型。
あーじゃないこーじゃないと口うるさく、きっちりやらんと気の済まないA型。
妻はO型、私はA型。
長男はA型だが、障子紙の張替えは初めてで勝手が分からないので、口は挟まない。
だいたいやり取りは想像がつくだろう。
「上手に張らんと、ピーンと張らんよ」と、母と妻。
あら、張ったあとのひと吹きを知らなかったらしい。
「霧吹きはない?」
「何に使うと」
「パッパッと吹きかけたら、後で張るとたい」
「へ~」
昔の事、
現場に表具屋さんが張り替えた障子を搬入し納めたのを確認し、
少し張がなかったので尋ねると、
そこの社長さん(現会長さん)が、湯呑み茶碗に水をもらい、
口にちょいと含むと、首を振りながらブバッと紙めがけて吹きかけた。
「これで、後で張りますけん」
「あ~、なんかテレビ(時代劇)で見たことあるなぁ」
なんか「職人技!」ってな感じでかっこ良かった。
確かに翌日みるとピーンと張っていた。
今だとお客様の前ではこれはできないな。
「すみません。張り替えてください」って言われるだろうね。
正しくは、霧吹きは乾燥した後にする。
紙を貼って陰干しし、ゆっくり乾燥させた方がきれいに仕上がるらしい。
今回は時間がなかったので、桟には掛けないようにパッパッパッと。
1時間ほどで、6枚張替完了。
桟に糊だまりがあちこちあるが、紙はピーンと張っている。
「お~、確かに張っとるね」と長男。
「やろう」
残りは、年の暮れまでに2回ぐらいに分けて張替が必要なようだ。
↓ ランキング参加中。ご面倒ですが、ポチッと頂ければ励みになります。