某ガソリンスタンドの、雨漏りの現状把握と調査依頼を受けた。
行ってみると女子トイレの天井が落ちている。
相当量の雨水が漏って来たようで、
クロス下地の石こうボードが水を吸って柔らかくなり、
ビス止めが役に立たなくなり落下している。
貼っているクロスも随分頑張ったんだと思うが、ついに耐え切れなくなったようだ。
この状態だと、穴などからの雨もりと云うより、
樋の詰りにより、溢れた水が漏ってきたと考えられる。
となると、屋根に登ってみるのが早い。
しかし、私は高い所は苦手なのである。
30代の頃は、1人で2連ハシゴを掛けて2階の屋根に登るのもそう怖くは無かった。
しかし、60歳も近い今は登るには登るのだが、2階の屋根には渡れない事が多い。
一度、足がすくむともう動けないのである。
さて、ガソリンスタンドの屋根にはどう登るのか?
スタンドの外壁には、地上から2mを超えたぐらいからタラップが掛けられている。
屋根までは5mは軽く超えているようだ。
持参した伸縮ハシゴでそこに掛ける。
本当は登りたくないのだが、他にはいない。
登らないまま帰ったのでは、来た意味がない。
腹をくくり登り始めた。
タラップを登り始めてすぐに怖くなった。
斜めのハシゴを登るのとは、怖さが違う。
垂直に上がるのはもっと怖いのである。
おまけに、安全用の囲いも無い。
「落ちたらやばいぞ!」そう考えると、なんとなく手にも力が入らないような気になる。
下を見ず、頑張って登ってみる。
頂上から横に移動し屋根に渡るのがまた怖い。
何とか渡って調査。
案の定、ゴミ詰りによるもののようだ。
「あっ、折角登って来たのにゴミも取らず帰る訳いかんやんか!」
土のう袋を取りに下りるのは良いが、また上ってこないといけない。
もう少し考えて登ってくれば良かったと後悔する。
今度はタラップに横移動で渡るのがまた怖い。
下は見ないようにする。
何とか無事に下りる。
土のう袋をボケットに突っ込んで、再び上る。
初回よりは少し気が楽なような気がした。
ゴミは土のう袋に1/3程。
水を含んで結構重い。
「あっ、この袋どうやって降ろす?」
しまった!段取りが悪い!と思ったが、車にはロープは乗せてない。
抱えては、泥水で作業服を汚してしまう。
このまま帰るのなら良いが、この後、まだ1件用事が残っている。
作業服は汚したくない。
上から落とすのは危険というより、
つぶれて飛び散った時の事を考えるとやめた方が良さそうである。
結局、土のう袋は次に上った人に降ろしてもらう事にして、
タラップそばの屋根に置いて下りることにした。
依頼の元請さんには電話とメールで報告をした。
土のう袋の事もお願いをした。
すみません。次に上った方、よろしくお願いします。
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