遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

琳派菊花図二曲屏風

2022年01月28日 | 故玩館日記

琳派の菊花図二曲屏風です。

故玩館の玄関から最初の部屋(通称、ミセ)に入ったところに置かれています。

高156.7㎝x幅(82.1x2)cm。時代、作者不詳。

銀地の上に、菊の花が満開です。

右:

 

左:

 

どういう技法かわかりませんが、花びらは盛り上がって描かれています。

屏風を見回してみると、あちこちに亀裂があります。もちろん、最初は無疵でした。

実は、この場所に置いてある二曲屏風は三代目なのです。最初は、銀の無地屏風。江戸時代の品で非常に雰囲気の良い物でした。私のお気に入りでした。それがある朝、ふと見ると大きな亀裂が縦横に走っていました。悪魔の仕業か?それとも、誰かのイタズラ?キツネにつままれたようなものです。

気を取り直して、別の屏風に変えました。ところが、数か月後、その屏風にも亀裂が走りました。もう、これは呪われているとしか考えられません(^^;

そして、三度目の正直。今回の琳派屏風となったわけです。今度こそは!!!

一か月ほどたった朝、小さな亀裂を見つけました。そこで、ハッと気がつきました。ひょっとしたら、花!?

そこで、生花を撤去。花器だけを置くことにしました。亀裂はその後も少しずつ大きくなりましたが、キワドイところで、何とか止まりました。

元凶は、生花でした。大きな花器の中に、大量の生花と大量の水。植物は、この水を吸って水蒸気を吐き続けます。すると、屏風は水分を吸って伸びます。そして、花が終われば、乾燥して縮みます。このような、伸縮を繰り返すうちに、屏風は裂けてしまうのです(^^;

今は、ツクバネの枝を入れてあるだけ。水は無しです。これなら、大丈夫でしょう(^.^)

 

コメント (12)
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