琳派の菊花図二曲屏風です。
故玩館の玄関から最初の部屋(通称、ミセ)に入ったところに置かれています。
高156.7㎝x幅(82.1x2)cm。時代、作者不詳。
銀地の上に、菊の花が満開です。
右:
左:
どういう技法かわかりませんが、花びらは盛り上がって描かれています。
屏風を見回してみると、あちこちに亀裂があります。もちろん、最初は無疵でした。
実は、この場所に置いてある二曲屏風は三代目なのです。最初は、銀の無地屏風。江戸時代の品で非常に雰囲気の良い物でした。私のお気に入りでした。それがある朝、ふと見ると大きな亀裂が縦横に走っていました。悪魔の仕業か?それとも、誰かのイタズラ?キツネにつままれたようなものです。
気を取り直して、別の屏風に変えました。ところが、数か月後、その屏風にも亀裂が走りました。もう、これは呪われているとしか考えられません(^^;
そして、三度目の正直。今回の琳派屏風となったわけです。今度こそは!!!
一か月ほどたった朝、小さな亀裂を見つけました。そこで、ハッと気がつきました。ひょっとしたら、花!?
そこで、生花を撤去。花器だけを置くことにしました。亀裂はその後も少しずつ大きくなりましたが、キワドイところで、何とか止まりました。
元凶は、生花でした。大きな花器の中に、大量の生花と大量の水。植物は、この水を吸って水蒸気を吐き続けます。すると、屏風は水分を吸って伸びます。そして、花が終われば、乾燥して縮みます。このような、伸縮を繰り返すうちに、屏風は裂けてしまうのです(^^;
今は、ツクバネの枝を入れてあるだけ。水は無しです。これなら、大丈夫でしょう(^.^)