今日は、Yahooブログから通算3年目にあたります。
いつものガラクタとはチョッと次元の違う品をアップせねばと奥の院をさぐりました。
でてきたのがこれ。
立派な杉箱に入っています。入手してから20年以上たっているのに、蓋を開けると・・・
プーんと、杉の香りが鼻に届きます。
中には、中型の瓶子が入っています。
『明三彩法花瓶子』
最大径 13.7㎝、口径 4.3㎝、底径 9.2㎝、高 20.7㎝。中国明時代。
法花は、中国明代におこった三彩の一種です。筒書きで模様の輪郭をとり、その内側へ紫、黄、緑、青などの低火度色釉を塗り、焼成した物です。このようにすると、釉薬が混じらず、器体に絵画風の表現が可能になります。有線七宝が金属の植線によって七宝釉の混ざりを防ぎ、細かな模様を出すのと同じです。友禅染の糸目糊も同じ役目を果たしています。唐三彩が、馬や駱駝などの器体を三彩で装飾し、色のまじりを味わうのとは対照的です。
今回の品は、上質の磁器上に、筒描きで白釉を線状に盛り、淡い紫、緑、黄茶の三色釉薬を施して、松の大樹の下に四人の人物が表されています。
松の葉などは、筒描きではなく、貼花です。
白釉輪郭線と貼花の凸凹が、器表に描かれた絵模様に奥行きを与えています。
瓶子の肩には、下の模様が四組ぐるっと回っています。
下部の模様は、饕餮紋(とうてつもん)?
底や口縁内は、緑釉で薄く塗られています。
紫釉部には、見事な窯変が現れています。
毎日のように、そっと持って帰る品物に対して、誰かさんは、ほとんど関心を示しません。またか、というリアクションも、もはや面倒なのでしょう(^^;
しかし、極々々まれに、「これは人に見せるな」とおっしゃる品があります。
目垢がつく、下手するとゆずってしまう、との懸念からでしょう。
そのような品はこれまでわずかに3ツ。法花三彩樹下人物紋瓶子、古九谷尺皿、伊藤若冲・水墨親子鶏図です。
法花とは、釉薬の堤防でぐるっと囲い、他の釉が入ってこないようにする技法です。
誰かさんの周りには、法花と同じように堤防がめぐらされ、外からのガラクタを撥ねつけるようになっています。その堤は非常に高く頑丈です。チョッとやそっとの品では乗り越えられません。
堤防の上には札がたっていて、何やら書かれています。
一、アンタは人が良いので、骨董屋で偽物をつかまされる。
一、アンタは欲が深いので、ネットで贋物をつかんでくる。
この立札により、99.9%の品物ははねられるのであります(^^;
法花も、故玩館も、堤の威力は絶大です(^.^)